今回は四国の徳島県、海沿いの岩場である「日和佐(ひわさ)」でクライミングしてきました。
2022年11月の頭、長野県周辺のエリアである小川山・瑞牆周辺はもはや寒くて厳しくなってきました。
1カ月前くらいから「連休で日和佐に行きましょう!」とみんなで話していてついにその時がやってきました。
私は海沿いのクライミングに憧れていて、伊豆の城ケ崎なんかが有名ですが、四国の岩場に行ってみたい!と言うことで今回は徳島県のエリアへ3泊4日でツアーに行ってきました。
それほど大きなエリアではないですが、被った壁と海と言うロケーションでのクライミング、そしてグルメ旅でもありました笑。
各日程の食事についても書いているので気になる人はチェックしてみください。
前日の夜に長野を出発して、監督のプロボックスで片道7~8時間以上の道のりを長野県~徳島県まで移動します。
朝5時前くらいに徹夜の運転を終えて道の駅日和佐で仮眠。それから今回予約していた「恵比須浜キャンプ村」にてベースの設営。今回はキャンプです。
キャンプ場は海の真横にあって芝生の幕営地で寝心地が良く、ロケーションもクライミングエリアまで車ですぐです。
(写真は撮り忘れました)
今回メンバーが触った課題
- 幸せの亀(5.8) /女コーチFL、まっつんMOS
- 潮騒エクスタシー(5.10b)/女コーチMOS
- のぼれタイヤキくん(5.10c)/監督 FL、女コーチ MOS
- ラビリンス(5.10d)/監督 FL、女コーチ、でんちゃん MOS
- パピヨン(5.11b)/監督 MOS(再登?)、女コーチ
- 甌穴群(5.11d) /まっつん RP
- 岬めぐり(5.12d)/監督 再登、女コーチ、でんちゃん、まっつん
- ラジャラウト(5.11d) /まっつん RP
- サウダージ(5.12b/c)/でんちゃん、まっつん
- MATRIX(5.12d)/監督、まっつん
ほかにもビレイしていて見えなかった課題を監督、女コーチは登っていたと思います。
私が触った課題に関してはムーブメモを記載しています(ネタバレなので本記事の最後にリンクしています)。
岩場へのアプローチ・駐車場
車は港っぽいところの少し手前の路肩に止めます。車上荒らしを警戒して貴重品は持って出かけるようにしました。
堤防っぽいところの階段を上がって少し戻ったところから階段で下り、道なりに少し進むと遊歩道の入り口の分岐の立札があります。
そこから木で整備された階段を登って遊歩道を進み、展望台へ。展望台の横からトラバース道に入り、しばらく進むと右の尾根へ下る道になります。
尾根を下って海に向かうと開けた場所に出るので、左に下りつつ岩場の洞窟を目指します。
アプローチは30-40分程度でしょうか。ちゃんと見ていないのでわかりませんが・・
足場は少し悪いので慎重に行動したほうが良さそうです。
【1日目】日和佐・洞窟(ドーム)エリア ラビリンス、甌穴群、岬めぐり
到着したのが昼前ぐらいでしょうか。みんな寝不足で少し元気がありません。洞窟エリアは岩に囲まれた独特な雰囲気のエリアでした。
監督、女コーチ、でんちゃんは"ラビリンス (5.10)"でアップ。監督は寝不足ですごく老け込んだ顔をしていました。でんちゃんは「岩の硬さを感じる」と言っていました。私は何言ってるんだろう「?」って感じでした。
私はラビリンスは触らずにその左隣の"甌穴群(おうけつぐん) (5.11d)"をやってみることに。
岩を触って早速感じたのは…ガバ!前傾!
これほどのガバを触ったのはいつ以来だろうか。有笠のハングエリアの課題で似た感じのガバがあった気がしますが、これほど持ち感の良いガバはほぼ初体験です。
1便目で右にトラバース気味に入って右手を水平クラックに指ジャム、そこから左の低い位置から上の遠いガバにデッドで飛んで落ちてしまいました。
後から来た地元の人が手前のアンダーガバからスタで真上のガバまで取れることを教えてくれて、右へ出ずにそのまま手を伸ばしたらあっさり届いて終了。あとは快適なガバをつないでRP。
なんかジムを登ってるように前傾ガバの連続。この課題に関しては5.11dと言うグレードはちょっと「?」と言う感じでした。

その後でんちゃんは左の"岬巡り (5.12b)"を触り始めました。ヌン掛けてくれたので私も触ってみましたが、核心でテンション。ちょっとパワフルだけど単純と言えば単純?これも少しグレードは甘いのかな?と思いました。
1度触っただけで「あと3日あるし後で登ればいいや」なんて放置してたら、最後まで触らないままになっちゃいました(RPせず)。他の課題に目移りしてしまいました。

監督と女コーチは"パピヨン (5.11b)"をやっていました。監督はこのエリアは昔に着てもうほとんど登りつくしているようなので「イチゲキ」とは言わないかもしれませんが、普通に1本目で登っていました。
ですが、なんだか悪いようです。上部にハングがあるようなのですがその乗越、そしてその先はホールドが乏しいようでジャムを決めるしかない、と言っていました。監督曰く”岬めぐり”より難しいと言っていました。
監督はこの日岬めぐりも1回で登っています。やはり安定感が違う…
海側に気になるルートがあったのですがこの日は波が高くて特にビレイがヤバそうだったので(バシャーンと波が来て海に引きずりこまれそうなくらい)翌日以降触ろうと言うことに。
寝不足でふらふらなのでほどほどで終了。
そういえば地元のクライマーは釣り竿をもってきていて、魚を釣っていました。(カマスだっけ?)
この日のグルメ「ひわさ屋」
夜は地元の「ひわさ屋」と言うお店でおいしい食事をいただきました。予約でいっぱいになることが多いようです。
海の見える露天風呂 & 猫のいる「ホテル白い燈台」
キャンプサイトから近い場所にあるお風呂に毎日入りました。ここは露天風呂から太平洋に沈む夕日を眺めることができるなかなか贅沢なロケーション。
ホテルの中にはにゃんと、猫ちゃんがウロウロ!
私はあまりお風呂は長く入れないので(暑がり)先に上がって猫ちゃんたちと遊んでいました。
幸せでした。館内はちょっと猫のオシッコ臭いかな?
どうやらペットOKのホテルのようで犬を連れてるご家族が居たりしました。
人懐っこいにゃ~!
【2日目】日和佐 サウダージ、ラジャラウト、幸せの亀、他
この日もドーム内へ。
干潮・満潮の時間を調べて、どうやら午前中が干潮になるようだったので朝、早速海側のルートをやってみることに。
でんちゃんは"サウダージ (5.12b/c)"をトライし始めました。
核心手前のクリップが厳しいようで、そこで悩んでいるようでした。その後もこの日は核心を突破は難しいようでした。

私はその一つとなりの"ラジャラウト (5.11d)"トライ。ドームエリアで一番海側にある課題で見た目とルート名がとってもかっこいいのでやってみたいと思っていました。
私は登りたい課題は「見た目」「ロケーション」「ルート名」なんかで安直に決める衝動タイプです笑。

ずっとガバガバのアプローチが続いて少しずつ傾斜が増して、上部に核心がある課題です。ガバだからと言ってダイナミックに飛ばしながら登ってしまって、核心に至る前にパンプする、みたいなことをやってしまっていました。
強傾斜はジムでも外岩でもそれほど経験がない(逃げ?)のでとにかく下手くそだったと思います。
この日は3便ほど出しましたが、クリップ体勢を決めただけで核心のムーブも固めないまま。強傾斜に疲れてやる気を失ってしまいました。
最後に「ひだまりエリア」にある課題で、前日の夕方に見て夕陽で輝いて綺麗だった"幸せの亀 (5.8)"と言う名前のルートを登ってちょっと元気を取り戻しました。
“幸せの亀”は全然傾斜のない快適なルートで傾斜で疲れたメンタルを癒して幸せを与えてくれる、名前の通り亀の甲羅にとりつくような課題でした。
女コーチもこの課題を一緒に上って幸せそうな笑顔を見せていました。

監督はこの日は眠い眠いと言っていました。右端に新しくできた課題を登っていたようですが、私のいた場所からは見えずに何を登っていたのかわかりませんでした。
女コーチはこの日も"パピヨン (5.11b)"を引き続き登っていましたがどうやら厳しいようでした。
この日は静岡から来た遠征組のパーティも着て、少し賑やかな岩場でした。

この日のグルメ「居酒屋 つくし」
この日は地元の居酒屋「つくし」さんにお世話になりました。
事前にお刺身が食べたいとリクエストさせていただいておいしいお刺身から始まり、色々な美味しいメニューを楽しみました。
【3日目】日和佐 サウダージ、マトリックス、他
監督と女コーチは陽だまりエリアの"のぼれタイヤキくん (5.10c)"でアップ。

でんちゃんはこの日も引き続き"サウダージ (5.12b/c)"。この日終盤についに核心の突破方法を見出し、突破していました。
私は朝1で前日やっていた"ラジャラウト (5.11d)"をやったのですが、正直すぐに登れるんじゃね?と思っていたのですが核心処理できず。
打ち込むのが嫌いな私(クライマーとしてどうなんだ?)は、そこからはあっちこっち別の課題を触って一日を終えてしまいました。
でんちゃんの"サウダージ (5.12b/c)"をやってみました。サウダージは結構面白くて、ガバを体勢を使って利かせる感じが顕著で、核心越えにはいくつか選択肢があって色々試せる感じ、クライミングとして楽しい課題だと感じました。
"MATRIX (5.12d)"はこれでもかと言うくらいドッかぶりのルートで、下部は次のボルトを見上げるのに首が痛くなるくらい(ルーフのような)被り具合。核心までは快適なルーフ。核心は左上にトラバースするような動きなのですが、それまでと打って変わって急にホールドが悪くなり、特にフットホールドが少なくなるのでムーブの組み立てが難しくトラバースの処理ができない。

監督は昔2ゲキだったらしいですが「力がなくなって核心が突破できなくなった」と嘆いていました。そりゃあ今何歳だと思ってるんですか!十分強すぎますよ…。
核心の次のボルトにヌンチャクがかかっていれば少しメンタル的にも楽になるような気がします。ちょっと左上トラバースが怖くて進んでいくと思い切った動きができなくなる感じがあります。
女コーチはこの日はアップの後は"岬巡り (5.12b)"をやっていました。

この日のグルメ
この日は「お好み焼天花」でお好み焼きを食べました。監督が昔に日和佐に来た時にも食べたというこのお店。
写真は撮り忘れました。
【4日目】日和佐 ラジャラウトRP、他
この日が最終日です。今日は長野へ帰らなければならないので昼前には撤収する必要があります。
最終日は気合を入れて早朝からアプローチしました。涼しくて朝のアプローチは気持ちが良いです。
女コーチはアップでひだまりエリアの"早朝エクスタシー (5.10b)"を登って、その後は"岬めぐり (5.12b)"をトライしていました。核心あたりが少しパワフルで遠目なので厳しいようです。
監督はドームエリアの入り口付近の課題を登ったようです(ちょっと離れていて見れなかった)
でんちゃんは引き続き"サウダージ (5.12b/c)"。昨日核心を突破して上まで抜けていたのであとはつなげるだけですが、やはりつなげると核心の突破が難しいようで(体勢が悪くなるのかな?)また次回への持越し。
私は"ラジャラウト (5.11d)"をRPしました。前日にやる気を失っていたのですが取りあえず1便出して見ることに。
今回はちょっと真面目に、下部のムーブ、中間部のムーブ、核心手前のムーブで省エネムーブを組み立てて、核心の突破方法も何とか見つけることができた(遅い!)。
2便目はスムーズに上までつながって核心の最後のガバをつかめました。そして最後に乗越してテラスに上がったら終了なのですが乗越を超えるための最後のガバ地帯が遠くて、もがいたのですが力尽きてフォール。
ジムで言ったらゴール取りで落ちたみたいな感じになってしまった…(ひえー)。
そして時間的に最後の回収便の3トライ目、もうやることは決まっている。抜け口は根性だ!
てな感じでトライして核心の最後のガバをつかんで、そこからまた抜け口の遠いガバに届かずでまた苦戦、遠い!取れん…!
力尽きそうだったので(パワーないねー涙)核心のガバを使って一端ハングの下に降りてきて、ぶら下がりながらガバを持ち替えて左右の手をシェイクしてレスト。いったん冷静に。その辺の岩をしっかり見てどう動くか考え直したました。(思い出してるだけでシンドくなってきました)
下ではビレイしてくれているでんちゃんが「休んで休んで!しっかりシェイクして!」と応援してくれている。
後ろからは監督や女コーチも応援してくれていました。
最後のガバは遠いけど(他に何か持てるところがあるのかもしれないけど…)少しレストして冷静になったことで、左足に乗り込みながら伸びあがり、何とか届いてRPすることができました。久々に嬉しいRPでした
ラジャラウトはインドネシア語で「海の王」と言う意味らしいです。このエリアでは一番海側に面したかっこいい課題の一つなので海の王になれた気がします。

本音を言えばもっと早く終わらせて別の課題にトライしたかったのだけど、これが今の私の実力なのだなと思いました(途中で逃げたのも含め・・)。このくらいはサクッと登れるようになりたいと情けなく思う一方で、今回は学びもたくさんあったので良かったと思います。
特に①最適なムーブ(省エネ)を見出す能力、②ビビらず焦らず落ち着いてムーブを組み立てる、③レストを適切に入れる、なんてことが自分には足りていないと思いました。
①に関しては、自分で言うのもなんですが自分は多少ボルダー力があるせいで、無理なムーブでも強引に超えられることがあるのですが(怖く無ければ)、持久力がないのでその無駄なパワー放出のせいで繋がらなくなってしまう。「耐えて無理やり突破する」こと自体好きなのでついやってしまう…。悪い癖な気がします。
最後にやっぱり強傾斜の壁はかっこいい!
人は苦手なものに憧れるもので、傾斜の強い見るからに威圧感のある壁は好きです。
今度はいつ来れるかわからないけど、次来るまでにはもう少し上手く、強く、体感もつけてまたリベンジしに着たいなと思いました。
エリア的には小規模でグレード感も乱れはあるけれど、ここでしか登れない岩・課題・ロケーションがあるので、私的には好きな岩場の一つになりました。
この日のグルメ 「中華そば いのたに」
この日は「徳島ラーメン」を食べたいということで、徳島市で有名なラーメン屋に行きました。
徳島ラーメンの「中華そば いのたに」。
ダシの効いたスープにうっすら豚骨の風味が混ざって、かなりバランスの良い味付け。見た目は茶色く、くどそうですが以外にもあっさりしています。
スープの絡みやすい麺とちょっと味の濃いお肉がバランスよく、完成度が高いなと感じました。
いかがだったでしょうか
今回は四国・徳島のクライミング・グルメツアー!(?)でした。
11月にもなるのに海を見ながら暖かく、半袖や上裸でクライミングができるロケーション。
日の出や夕暮れ時も美しい空と海を眺めながら、穏やかな田舎の町で過ごすことができ、とても幸せで最高なツアーでした。
今回監督に言われた言葉ではっとしたものがあります。
「まっつんは岩に求められているムーブじゃなくて、自分がやりたいムーブをやってるんちゃうか」
と言う言葉。確かに私は自分が好きなムーブ、派手なムーブ、気持ちいいムーブに持ち込もうとする癖がある気がします…。特にボルダーが好きな私は、持久が必要なリード課題なのにボルダーチックな動きをしてしまうことも多く、そのあたりを考えていきたいなと思いました。
ドーム内はかっこいい課題があり、また来たいと思います。
自分の弱さに落ち込み、モチベーションも上がった4日間でした。
自分用にムーブのメモを書いておきます。
まっつん