【南アルプス】北岳~間ノ岳~農鳥岳(晩秋の白根三山)を縦走してきました(1泊テント)【絶景写真!】

こんにちは。週末(2022/10末)は北岳~間ノ岳~農鳥岳(白根三山)を歩いてきました。

運動不足解消と順応のトレーニングを兼ねてできるだけ長く3000m近い地点で行動・滞在できる行程にと思い計画しました。

北岳を含む白根三山のこの縦走路の標高は北岳が3,193 m、間ノ岳が3,189 m、農鳥岳が3,026 mと日本の縦走路の中でもトップクラスの高い標高を維持できる贅沢なロケーションです。
(もちろん順応するなら富士山のほうが圧倒的に高くはあるのですが・・)

やまにちは!まっつんです。ツイッターYoutubeもやってます。
写真多めの記事になります。

山行の内容

奈良田に車を止めて広河原から縦走するごく一般的な人気ルートです。

1日目:奈良田駐車場(バス移動)→広河原10:00~北岳山荘16:00(幕営)
2日目:北岳山荘5:45~間ノ岳7:00~農鳥岳9:50~奈良田駐車場15:00

メンバーはいっしーさん。年末に一緒に南米遠征に行くメンバーの一人です。
夏の間はそれぞれのアクティビティ楽しんでいるので(クライミングとかカヤックとか沢登りとか)、普通の歩きの登山には少し運動不足な我々。

今回はあくまでトレーニングと思っていましたが、天気が良かったため久々に気持ちの良いトレッキングを楽しめました。

今回使ったグッズ・レイヤリングは記事の最下部に記載していますので気になる人はチェックしてみてください。

奈良田~広河原のバスで地獄のように車酔い

白根3山を縦走するために2つの登山口の間をバスで移動します。
我々は奈良田駐車場に現地集合して、広河原の登山口へバスで移動することにしました。

奈良田のバスは5:30が始発でその次の便が8:40発になります。その間にもう1便くらい出してくれるとありがたいのですが…8:40の便で出発し9:30ぐらいに広河原に到着しました。

奈良田からのバスの運賃はSuicaが使えるので助かりました。(スマホでぴっ)
北岳山荘のテント場もネットで事前にクレカ払いができるので現金はそれほど持っていかなくてもよさそうです。

このバスはめちゃくちゃ揺れて我々はすっかり車酔いしてしまいました。特にいっしーさんの酔い方はすごくて、途中から顔が急に真剣になって、リバースをこらえているようでした。
私も酔いましたが自分よりしんどそうな人がいるとなんか冷静になるやつ?になってそれほどひどくありませんでした。

1日目、広河原~肩の小屋~北岳山頂~北岳山荘(幕営)

そんなこんなで9:30ごろ広河原に到着して少し休んで10:00ごろ、天気も良くのんびり歩き出すことに。

大樺沢コースは通行止めだそうで、白根御池小屋経由でまずは肩の小屋を目指します。

昔関西の友達と北岳に来たときは、大樺沢コースで八本場のコルへ詰めたので、こちらを歩くのは初めてでした。
よく整備されていて、非常に歩きやすい良い登山道だなと感じました。流石人気の山域だけあります。

北岳山頂付近は少し雪が残っていそうです。

今回も高所の順応を意識したいので、ペースは上げないことに注意して息が上がらないように、一歩一歩進んでいきました。
途中で同じバスで先に出発した人たち(我々は酔って休憩していたので)に追いつきました。
すると「バスでひどく酔ってたよね~もう来たの!」なんて言われててちょっと笑いました。
あいつら大丈夫なのか?って思われてたのかもしれません笑。

標高を上げるとたまに木の梯子なんかも出てきて、しんどい~と文句言いながらゆったり進んでいきました。

白根御池小屋は沢山の人でにぎわっていました。
とてもいいロケーションで、北岳に行くなら大樺沢コースよりこっちからのほうが楽しいんじゃないかと思います。

道中少し立ち話をした、東北から来たという女性2人組と盛り上がり、お友達になりました。東北でBCされるようで、遊びに行きます!なんて言って盛り上がりました。
山にいる人同士はすぐに共通の話題が見つかって仲良くなれる気がします。

白根御池小屋から稜線に出るまでの登りは少し急になります。
この日はできるだけ心拍数を120台より上げないように、意識的にGarmin ウォッチでチェックしながら注意しながら歩みを進めていきました。
どうしても登りでは心拍が上がってしまって、結局この日は135くらいが平均的な心拍数でした。

ちなみにバットレスからアプローチしようかとも話していたのですが、微妙に雪がついて半端に凍っていやらしそうだったので(時間かかりそう…)普通に歩く計画にして良かったと思います。
稜線に上がって少し進むと肩の小屋が見えてきました。ここも初めて歩くのですがロケーションは最高で、小屋もかなり過ごしやすそうです。
良いなあ、こんな素敵な小屋でぬくぬく過ごせたら幸せそうだなあ、なんて思いながら、ベンチで長めに休憩。

ちなみに雪は白根御池小屋を超えたあたりから少し日陰に残っていて、所々凍っていますが丁寧に歩けば問題ないレベルです。
アルミの軽量アイゼンとチェーンスパイクをもってきていましたがどちらも一度も使いませんでした。
(持ってきて使わないのと持って行かないのとは大違いです。条件が読みにくい場合は装備は余裕をもって行きたいですね!)

肩の小屋から山頂までの稜線には雪は10~15cm少しくらい残っていましたが、氷化しているところは無くドライなままで溶けていないような感じでした。
稜線付近は気温の低い日が続いていたようです。

北岳山頂(3193m)に15:00過ぎ?くらいに到着。人も少なく穏やかで心地よい山頂。

しばらく少しゆっくりして、あとは北岳山荘まで下り、16:00ぐらいに北岳山荘に到着しました。

北岳山荘は工事中で幕営地のみの解放されています。このテント場で泊まるのは初めてですが、最高のロケーション!

夕陽で赤く染まる北岳とどこまでも広がる雲海、そして富士山を眺めながら優雅な時間を過ごすことができました。

受付のお兄さんもとてもいい感じの人でした。
この日は風は弱く、穏やかな夜となりました。先週の爆風の富士山での幕営とは大違いで、体感温度も暖かかったです。

ちなみに過ごしやすい夜でしたが、なぜか全然寝付けなくて、朝起きたらいっしーさんも全然寝れなかったと言ってました。
なのなぜだろう…南米で寝れない日々が続いたら嫌だな、なんて思いました。山で寝つきがいいのは才能だと思います・・。
でも翌日行動中特に寝不足を感じなかったので、知らない間に寝ていたのかもしれません(あるある)。

夕食のお鍋

いっしーさんが食事当番をしてくれました。2名なので個食でもよかったのですが、お願いしちゃいました。

この夜はお鍋だったのですが、スーパーで買ってきた”つみれ”がザックの中でプレスされていて、一体化していたのは笑いました。
我々はゴールデンカムイにはまっていたので潰れた”つみれ”を「お尻でチタタプした」だの言って大喜びしていました(バカです)。

カット野菜と”つみれ”と鍋キューブ、そしてうどんとお手軽でしたが暖かくおいしい夕食を上がりました。
山で自炊するのもたまにはいいよね。特に荷物が少ないときなんかは。

2日目 北岳山荘~間ノ岳~農鳥岳~奈良田(下山)

二日目は空が白み始めたころにスタートしました。朝ごはんは袋めんの味噌ラーメン3玉を2人で食べましたが、丁度良い分量でした。

朝は6:00前くらいに出発。

稜線は広く穏やかで、朝の冷たい風は心地よく、ああ、これが南アルプスだよなあーなんて思いながら。

久々にジーンと自然を感じました。

この日もできるだけ負荷をかけないよう歩こうと話しながら、意識して小さい歩幅で、じっくり進んでいきました。
この日はほぼ脈拍は120以下に抑えられていました。

ちなみに今回も血中酸素飽和度を測定できるSpO2計をもってきていたので何度か測定してみました。
朝テント場を出発する際のSpO2は88%だったので、少し低めですが、やはり寝起きは少し低いようです。

体調的には順応に失敗している感じはなく、行動中も空気の薄さを身体的に感じることはありませんでした。
その後も何度か図りましたが80台後半から、少し休むと90台半ばまで回復するといった感じでした。

北岳山荘を出てから1時間ほどで間ノ岳(3189m)に到着しました。そこから農取小屋へ標高2800m付近まで落とします。
ちょっとざれてて滑りそうです。

後ろ姿撮ってくれました

農取小屋は赤い屋根の大きな小屋です。夏にテント場に泊まったことがありますがここもとても良いロケーションです。

ここから西農鳥岳(3051m)へ登りかえし、そこから少し進んで農鳥岳(3026m)を超えればあとは下降路(下山道)まですぐです。
農取小屋はもう小屋締めをした後でした。
そういえば「赤い屋根の山小屋」は今後なくなっていく(今後の改修で赤い屋根への塗装は禁止?景観を損ねるため?)なんて話を聞きました。緑の稜線に赤い屋根はよく目立って良いのになあと思いました。

西農鳥岳は農取小屋からだとまあまあ遠く見えますが、ここからの登りも焦らずゆっくり息が切れないペースで登っていきました。
こういう歩き方をするのも大事だなと思いました。
これからの冬山は基本的に重い荷物を担いで行動するので、軽い荷物で軽快に歩くよりはジワジワとアプローチするペースを思い出す良い機会になりました。
この間の縦走路もとても素晴らしい景色でした。

富士山がますます大きく目に入ってきます。

塩見岳も大きく目の前に見えてきました。

これほど美しい稜線に別れを告げて”地べた”を目指して進まなければならないなんて、なんて勿体ないんだ…なんて思っていました。
予報では次の日もたまらなく登山日和の晴れのようです。

なんてゴネていても仕方ありません、ここから奈良田までは長い下降路の始まりです。大門沢沿いを延々歩いて大門沢小屋を経由し、そこから長いトラバース道を経て発電所まで降ります。
そこでつり橋を渡って、登山口へ。我々はこの間4時間ほど、そこから林道を歩いて車を止めた奈良田まで+1時間ほど、合計5時間ほどひたすら下り続けました。

下降路に入ってしばらくは結構急なので慎重に。特に大門沢小屋につくまでは結構いやらしいのでペースが上がりません。

ケガで行動不能になっている人に遭遇しました

下降を初めて少し進んだところでオジサンが立ち止まっていました。上から見て、なんだか嫌な予感がしたのですが足をひねってしまったようでした。

おじさんとは縦走路で何度か一緒になって少し言葉を交わして顔見知りでした。
下山中に足を滑らせて捻挫してしまったようです。足元はドライな砂利と落ち葉で滑りやすい感じでした。
幸いそのポイントは電波が入ったので(食料・幕営装備もあるとのことで)、自分で連絡するから大丈夫、と言うことでしたのでロキソニンとテーピングをお渡しして先に進むことにしました。

我々が下降を進めるとしばらくしてヘリが来てピックアップしているように見えました。後ほど確認したら無事救助されたようで良かったです(骨折していたようでした)。
あの時、おじさんがケガした地点から進んでしまうと大門沢小屋までは結構な悪路で、かつ小屋も含め圏外だったのであの地点で救助を待つ判断は良かったようです。

父が登山をするので、年齢が近くてちょっと心配になりました。
一般道でも一人で行動するリスクは十分あるなと思いました。(自分は棚上げですが・・)


我々はと言うと、延々と奈良田までただひたすらに下って、15:00頃に下山しました。
下山をすすめると暖かくなって、稜線付近はすっかり葉が落ちていましたが紅葉を見ることができました。

大門沢を超えてしばらくトラバース道を終えると、後はハイキングのような快適で平坦な歩きになります。随所にピンクテープで整備されていて迷うことはなさそうです。

この時期の山は入山者も少なく、かつ北岳山荘がやっていないことで縦走路も閑散としていました。
おかげで冬と秋の境目を感じられる静かで良い山歩きをさせていただきました。

秋は良い季節です。つい岩ばかり行ってしまいますが、山歩きも素晴らしいですね

まっつん


今回使ったレイヤリング・登山グッズ

今回使ったものをご紹介・商品へのリンクをしています。

ウェア

分類 メーカー 商品名
アウターレイヤー(シェル) ミレー ティフォンタフエクスプロアジャケット xs
ミドルレイヤー(薄手フリース+防風) ミレー ブリーズバリヤー トイ アルファ ダイレクト ジャケット
ミドルレイヤー(フリース+防風) アウトドアリサーチ セントリフュージジャケット
ミドルレイヤー(化繊イサレーション) パタゴニア ナノエア ベスト
防寒具(化繊) パタゴニア ナノパフフーディ
インナー パタゴニア キャプリーン1
下着 ファイントラック ドライレイヤー ベーシック
タイツ モンベル ジオライン ライトウェイト

下半身はタイツ以外は夏用のトレッキングパンツと夏用カッパでした。

ギア

分類 メーカー 商品名
簡易アイゼン(アルミ) PETZL レオパードFL
チェーンスパイク モンベル チェーンスパイク

商品へのリンク