アックスのハンマーで顔面(前歯)を叩いて血だらけになった話。歯の神経がやばい?【アイスクライミング】

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昨シーズンの話ですが、アイスクライミング中にアックスのハンマーで前歯を叩いてしまいました。
ケガのこととか、事例とか、自分でも思い出せるように今回記録しておこうと思います。

やまにちは!まっつんです。ツイッターYoutubeもやってます。

アイスクライミング中にアックスのハンマーで顔(歯)を叩いた話

戸台の塩沢左股で氷を登っていた時のことです。

氷に打ち込んだアックスがバチ効きしていました。アックスを掴んで立ち上がったあと、次のアックスを決めて、進もうとしたときのこと。
前に決めたアックスが抜けなくなってしました。

これ自体はよくあることだと思います。
この時、顔の前にちょうどアックスがくる形の体勢になりました。

顔の目の前でアックスをグイグイ動かして抜こうとしていたのですが、これは危険です。
当時はそういう意識が少なくて、早く進みたいのでもがいていたら、アックスが突然氷から抜けました。

そして、その反動でアックスのハンマーで自分の顔面を叩いてしまったのです。
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ちなみにフォローで登っていたのは不幸中の幸いだったかもしれません。

アックスで顔面を叩いて血だらけになった

叩いたときは「やっちゃったー」って感じで、叩いたあたりを触ってみると、テムレスが血だらけになりました。
正直痛みはあまりなかったのですが、血を見てヤバッと思いました。

鼻の下あたりか前歯あたりを叩いたことが分かりました。人間血を見ると焦るものです。
顔なので自分で確認できず、何が起こっているのかわかりませんでした。

歯を触るとなんだかグラグラしている気がしました。
歯を折ってしまったと思いました。

なんやかんや言っていますが、この時はアイスクライミングの最中で、先にリードで登った人は私をビレイしてくれています。
自分はフォローで、顔を叩いた時は安定した状態だったのでテンションとかはかかっていません。

ここでごちゃごちゃやっていても仕方ないので、さっさと登らなければなりません(めちゃくちゃ寒いし)。
でも血が出てきて、ちょっと混乱しています。とても寒いので素手になって確かめることもできません。

自分で自分に「落ち着け、焦っても仕方がない。とりあえず登ろう」と言い聞かせて、再びアックスを振るって登攀を続けていきました。
バカなことをしたと後悔しましたが、時間は戻らないのでとにかく進みました。
幸い氷自体の難易度はそれほど難しい場所ではなかったのと、フォローだったのでとりあえず登っていきました。

その後どうしたの?衝撃で歯の神経が死んだ?

正直その後のことははっきり覚えていないのですが、その氷は登って、そのまま次の氷も登って、普通に予定通りの行程を最後まで進み、下山しました。
ちなみに、その後全く別のトラブルが起こるのですがそれはまた別の話です。。(また記事にするかもしれません)

出血箇所は前歯の付け根だったと思います。
血は気が付いたら止まっていました。血が止まりさえすればとりあえず大丈夫な気がしてきます。
前歯を触ると相変わらずなんだかグラグラしている感じがして、怖かったです。

歯が折れていてもおかしくなかったと思いますが、ギリギリの衝撃だったと思います。
アックスのハンマーで前歯を叩くなんでバカみたいな話ですが。。

その後、しばらくは普通に放置して生活していたのですが歯医者に通うタイミングがあったのでこの時の出来事を相談してみました。

「前歯を鉄のハンマーでたたいてしまったんです。大丈夫でしょうか?」
と言った感じで。

すると、歯に強く衝撃が加わると、外見が無傷でも中の神経が死んでいることがある。検査してみましょうと言われました。
もし神経が死んでいた場合、歯の中で神経の組織が壊死して膿になったりするようで、死んでいるとわかったなら手術して除去しないといけない、といわれました。

歯の神経が生きているか、死んでいるかの検査(歯の神経の反応検査?)

歯の神経が死んでいないかの検査は、歯に電気を流すことでそれを感じるかどうかで判断するようです。

検査の様子は自分では見えていないのでどういう状態か正確にはわかりませんが、頬に電極の片側をかけて、もう片側の電極を歯にあてて電気を流していたと思います。
神経が生きていれば、歯の中のほうにビリっと電気を感じます。
この感じはすごい嫌な感覚で電気を感じると「あ”ーっ!」と叫ぶような嫌なビリっとした感じです。

ちなみに、この時の最初の検査では全く何も感じなくて、検査している方が

歯科衛生士?
何も感じませんかー?うーん
自分
何も感じません。

みたいなやり取りをしていました。

私は本当に全く何も感じなかったのでずっと微動だにせずにいました。
本来であればビリっと感じて「あ”ーっ!」となります。

そうして、私の前歯二本の神経は死んでいるかもしれないね、という診断になりました。
ところが神経は傷ついても回復することがあるようですぐには診断できないとのことで、1か月後に再検査することになりました。
ちなみに歯の神経が完全に死んでいると、歯の色が変色して黒くなって来ることがあるようで、そうなったらすぐに来てくださいと言われました。

そんな感じで1か月後の検査では、歯の先のほうは何も感じなかったのですが少し根元のほうに電極?があてらえたときに何か違和感を感じました。

そして、さらに1か月後も検査することになり、その時も歯の先の方も鈍かったのですが、少し根元のほうにやると・・・

自分
あ”ーっ!(痛い!)

となりました。
それで、おそらく完全には死んでいないから大丈夫だろう、と言われ私の前歯は結果的にはなんともなかったのでした。
良かった良かった・・。

前歯は重傷初期はグラついていた気がしましたが、それは気が付いたら治っていました。
歯はもともと生理的動揺と言うものがあって少しは揺れるものだそうですが、多少それが強くなっても回復するようです。

今回の教訓

今回のケガで得た教訓はアックスは顔の前で抜かない。
もし顔の前にアックスがきて抜くときは顔を必ず背けること、と言うことを学びました。

そもそもまともなフォームで登っていたらアックスが顔の前に来るシチュエーションってあまりないのですが、
今回は立体的な氷だったこともあって足の置き場とか、アックスの決める場所とか選びにくくて、ヘンテコな登り方になっていたのも問題だったと思います。

クライミングで前歯をやっている人は結構いるので、今回は教訓になりました。
ただ、やっぱりけがは付き物だなと思いました。重大な事故にならなければこういった些細なケガは身近にたくさんありますが、小さなケガやミスがいずれ大きなケガに繋がる可能性を高めるとも感じるので、日々気を引き締めていきたいと思いました。

歯は一生ものです‥。ちなみに前歯が欠けていたり、完全に失ってしまっている人など、クライマーは特に前歯のトラブルを抱えている人が多くいる気がします。自分も気を付けたいです