9月も終盤、朝晩はかなり冷え込む日も多く、だいぶ秋めいてきましたね。短い秋はあっという間に終わり、山の稜線では近いうちに初雪が降ることでしょう。
というわけで今回は冬山で致命的になる可能性のあるトラブルについてお話ししたいと思います。
思いつくものを列挙してみました。中には命にかかわるような内容もありますので、気になる方はチェックしてみてください。
全てを私自身が経験したわけではなく、中には伝聞や自分以外の人に起こったトラブルもあります。冬山登山は沢山装備を持っていくので色々なトラブルがあります。
今回お話しするのは一般的な冬山登山全般で起こりそうなもので、初歩的なものから冬山でのテント生活までの内容が含まれます。
そんなまさか~!みたいマヌケなものもありますが、今一度チェックしてみてください。
ギア系のトラブル
アイゼン
アイゼンの歯が丸い
アイゼンの歯は使っていれば丸くなります。カリカリに凍った場所なんかでは丸くなった歯では大変です。
普通に歩いていても歯が立たなくなるので、滑落につながる可能性があります。
シーズン前にしっかりメンテしてキットンキットンに尖がらせておきましょう。
実際に私のアイゼンも気が付いたら丸くなっていて、ヒヤッとしたことがありました。初めて買ったアイゼンをずっと使っていて「アイゼンなんて早々丸くならないだろう」と思っていたら普通に丸くなっていました。
ちなみにアイゼンの歯の研ぎ方は注意しないと、一気に歯の寿命を縮めてしまうことがあります。先端だけを研ぐと角度がついてしまいますので、歯全体を研いで最初と同じような角度になるように仕上げるのが良さそうです。
またアイスクライミング用のモノポイントの歯なんかも登る頻度によりますがどんどん短くなっていきます。「あれ?登りにくいな」となってから短くなっていることに気付くこともありますが、メンテしておきましょう。先端だけ取り換えることもできます。
アイゼンの紐が長い
買ったままのアイゼンの紐は長くなっています。靴に合わせてセッティングしてみて、長いようでしたら切ってしまいましょう。
紐を長いままにしておいて山でアイゼンの紐を踏んで滑落して命を落としてしまっては取り返しがつきませんので、勿体ないと惜しがらずにきちんと調整しておきましょう。
とはいえ、別の靴に取り付ける可能性がある場合は注意が必要です。
私は普段冬用登山靴に取り付けているアイゼンをスキーブーツに取り付けようとして、紐が短くて焦ったことがあります。
ちなみにアイゼンの紐はパーツとして売っていたりします。もし紐を誤って短くしすぎてしまっても取り返しはつきます。
アイゼンのアンチスノープレートが使い物にならなくなっている
アイゼンには「アンチスノープレート」と言う、アイゼンの底に雪が付着することを防ぐ樹脂製のパーツがあります。
アイゼンを使っていると、これが使い物にならなくなったり、取れてなくなってしまったりします。
そうすると雪質によってはアイゼンの底に雪が付着するようになります。歩くごとに雪が圧着して雪団子ができるようになります。
この雪団子は私は「雪爆弾」と呼んでいるのですが、非常に厄介です。春などの湿り雪では絶対にできるので、ピッケルでたたいて壊したりしながら行動することも多いです。
新しいアイゼンでも雪質によってはできるのですが、雪爆弾は歩いているとどんどん大きくなって、アイゼンの歯が効かなくなってきますので、そんな時は注意して頻繁に雪団子を壊すしかありません。平坦なところでは気になりませんが斜面でふとした時にアイゼンが効かずにヒヤッとすることがあります。
大変歩きにくかったり場合によっては危険です。油をかけたりしてメンテしておくか(油はすぐとれちゃいますが)、雪が付くようになってきたな~と感じたらパーツを買い替えたりするなどして対処すると良いです。
油のメンテナンスにはこれを使っています。
行動中にアイゼンが外れる
行動中にアイゼンが外れる場合があります。これはきちんとセッティングしていなかった場合とアイゼンが故障してしまった場合があり得ます。
セッティングが良くなく外れるといったことはワンタッチアイゼンでよくあります。
前コバがきちんとはまっていないことが多いですが、冬靴を使いすぎて前コバがすり減ってワンタッチアイゼンが外れやすくなることもあります。
アイゼンが故障する場合は、コバに引っかかっているような金具が折れてしまうと言った事象があるようです。
実際に山の中でアイゼンを失うと行動不能につながる場合もあり得ます。昨年アイスクライミングに行ったときに、リードで登攀中の方がアイゼンの金具が折れて脱落してしまった例を目の当たりにしました。
故障については防ぐことはなかなか難しいのかもしれませんが、自分の身に起こっては欲しくないですね…。
ピッケル、アックスを紛失する
ピッケルやアックス関連の故障トラブルはあまり聞きませんが、落下させたり、紛失させたりといった例はよく聞きます。
雪の中に埋もれて見つからなくなったり、と言った事例があります。
ピッケルのリーシュを付けていれば防げる内容ではあるのですが、行動中や登攀中にどうしてもリーシュが邪魔くさくストレスになる場合があります。
良くあるのは肩にアックスをかけていてふとした時に落下させて紛失するというもの。
あと私が昨年やりかけたのは、アイスクライミングの支点を作ろうと支柱になりそうなものの周りの雪を掘っていた時、何気なく置いておいたアックスを雪に埋もれさせてしまい「あれ?どこいった!?」となったことがありました。そんなバカみたいなことであっさり紛失してしまいます。しばらく探して何とか見つかりましたが…。
他には懸垂下降中に落下させて雪に埋没して紛失。懸垂下降中に懸垂の支点に置き忘れてきた、とか、そんな話を聞きました。
あとは、ザックに取り付けてアプローチしていて、気が付いたら脱落していたこともありました。私が初めて買った縦走向けのピッケルだったのですが、山でなくしてしまいました…。
ゲイター(スパッツ)関連
故障
冬用のスパッツの故障は何度も体験しています。日本のように湿雪で深いラッセルが続く冬山ではゲイターって大事なんだな、、、と実感することになりました。
ゲイター一体型の冬靴を履いていたら、問題なさそうにも思えますが…故障してはじめて気付くってやつですね。
故障の内容としては金具が故障してしまうことが多いです。
冬用のゲイターは夏用のモノよりかなり堅牢に作られていますが、靴の下をベルトを回して金具で止めるタイプが多いと思います。
この金具が曲がったり折れたりしました。
ラッセルしていたり、行動中は必至なので気付かないうちに故障していることが多いです。気が付いたらベルトが外れていて、あれ?と思ったら壊れているみたいな感じです。
私の冬用のゲイターは2つ故障していて、1つ靴に合わなくて、ちゃんとしたのは1つしかありません。
特にゲイターは靴のサイズと脹脛の太さでちゃんとサイズを合わせて買わないと、ゆるかったりするとズレてきて煩わしかったり上から雪が入ってきたりと面倒です。
ベルクロが凍り付いて着用できなくなる
冬用ゲイターはグローブでの操作性を上げるために、フロントがベルクロで止めるようになっているものが多いです。
一日中ラッセルしているとこのベルクロに雪が付着して、段々と氷と化して来ることがあります。
行動を終えてテントに入るころにはフロントのベルクロが氷のダマがいっぱいついているような状態になっていることも。厳冬期の山では一度凍った装備は解けないので、次の日の朝、同じゲイターを着用しようとするともはや氷のダマに邪魔されてベルクロが接着できなくなっていたりします。
テントに入ったらできるだけ氷玉を手作業で除去しておかないと、次の日に雪まみれになる可能性があります。
また、これを防ぐためにラッセルが多い行動中はゲイターを一番外側に付けずに、ハードシェルの内側に付けることで、ベルクロへの雪の付着を防ぐこともあります。
と言っても朝1でセットしたゲイターを行動中に付け替えたりはしないので、その日の行動内容から予測して、ゲイターを外につけるか内につけるか、適当に考えたりします。
ヘッデンを忘れる
ヘッデンは夏でも冬でも必ず必要な道具ですよね。これも忘れれば致命的になる道具の一つです。
特に冬は日が短く、夕方や早朝の行動には必須ですし、行動時間が長引いたり、幕営や雪洞の準備をしているうちに薄暗くなってくることも多いです。
夜はテントの中で水を作ることが多いですが、水を作るには結構時間がかかるのでヘッデンがないと不便です。夏であれば最悪スマホのライトを使うこともできますが、冬は行動中はグローブをしていますし、また厳冬期の冬山の外気ではスマホのバッテリーはすぐになくなってしまいます。
とにかくヘッデンを忘れることは致命的です。長期の場合は故障を想定して予備を持っていくメンバーもいます。
ウェア系のトラブル
シェルに穴が開く
パンツもジャケットもとがった刃物で穴が開いたり、岩に擦って痛んだりすることがあります。
ダクトテープを少し小分けにしてピンチパック(救急セット)なんかに入れておくと良さそうです。色んな故障に対応できます。
チャックの持ち手が壊れる
チャックの持ち手が壊れることはよくあります。フロントの止水ジッパーのチャックは硬くて特にチャックを強く引くことが多いので、ブチっと千切れてしまうことがあります。低温の影響もあるのかもしれません。
細引きを持っていれば、金具さえ壊れていなければ応急処置は可能ですので、これもピンチパックに入れて持っていくと良いと思います。
ウェアやグローブを濡らしてしまう
ウェアもそうですが、特にグローブを濡らすと大変です。濡れたグローブを使っていると指先は凍傷になります。しかし冬山では必ずラッセルをするため、グローブは濡れやすい装備となります。
行動中に気を使ってグローブを濡れないようにしなければなりません。その対策は様々です。
もちろん予備のグローブは持っていきますが、一度濡れたグローブを完全に乾かすのは簡単ではありません。
テントで火器を使って乾かしたり、シュラフに入れて寝るなどしなければなりません。
「濡れたものをシュラフに入れれば乾くよね」って話があると思いますが、あれは幻想(ウソ)です。
それは「手袋の濡れ」が「シュラフの羽毛」に移っただけで、確かに手袋は乾きますがシュラフは濡れることになります。
厳冬期の冬山で濡れたものが乾くことはありません。凍るか、水が別のものに移動するかのどちらかです。
ウェアを濡らせば濡らすほどシュラフが濡れ、ダウンシュラフの場合は萎んでいき、保温力が下がっていきます。
ウェア類は基本的には濡らさないようにしなければなりません。
ザック系のトラブル
バックルが壊れる
ザックのバックルが壊れてしまうことがあります。私が壊れやすいモデルを使っていたというのもありますが、厳冬期の冬山では低温のため樹脂の強度が落ちることがあるように思います。
樹脂系パーツがあっさり壊れてしまうなんて経験が何度かありました。
縫いなおさずに交換できるタイプのバックルにて交換しました。
冬靴のトラブル
靴擦れ
冬靴は硬いので靴擦れしやすいです。私はカカトが靴擦れすることが多いので、入山前に絆創膏やテーピングで事前に対処しておきます。
靴の中が濡れる
特に春なのですが、日中の気温が0度を軽く超えるような場合、体や衣類に付着した雪は水になります。
水は重力で下へ下へ落ちていきます。
そして、一番下へ行くと、靴の中に入ります。このように、行動中にぬれたすべての水分は靴の中に集約されます。
そして、次第に靴の中がぐちょぐちょになるのですが、ゴアテックスの登山靴の中を乾かすことは簡単ではありません。靴下もぐちょぐちょになります。
春の残雪期の溶け始めた雪をラッセルするときなんかは靴の中が必ず水浸しになります。
注意しなければならないのは、その後気温がもし下がってしまうと凍傷になってしまうので、何とか濡れないようにしたいです・・。
靴のフロントジッパーの持ち手が千切れる
フロントジッパーが止水ジッパーの場合、硬いので力いっぱい持ち手を引っ張って千切れることがあります。新品の靴でやった人がいました。
テント系のトラブル
テントポールを忘れる
これは夏冬問わず悲惨ですね。注意したいですが、いつもひやひやします。
テントポールを落とす
当然ですが冬はグローブを付けたままテントを設営します。うっかりスルスルと組んだテントポールを谷底に落としてしまった、と言う話を聞いたことがあります。
稜線で雪面がパックされていればあっさり滑って行ってしまうでしょう。
テントポールを失えばかなり致命的なことになると思います。片方のテントポールだけで何とかなるものでしょうか?場所によっては雪洞やイグルーも使えますが、テントが使えないというのは考えたくないですね。
ちなみに、たまにザックの外にテントポールを外付けしている人がいますが、冬はやめたほうがいいと思います。ラッセルしたりごちゃごちゃもがいていると、どこかで落としてしまうかもしれません。
テントポールが折れる
風の影響
稜線に近い場所は風の当たる場所でテントを設営した場合、テントポールが折れてしまう場合があります。冬は夏と比べて山の上の風は大変強く、低気圧の影響でテントがへしゃげるほどの風が吹き続けることもあります。
テントの幕やポールはしなって風の影響を受け流すように設計されています。風が強いと寝ていてもテントの幕が顔に当たるくらいテントがへしゃげることもありますが、しなるだけで折れることは多くありません(すごいですよね)。
しかし、あまりに同じ方向からの風が強いと、ポールが折れてしまうことがあります。
また、ポールが劣化したりしていると亀裂などが入ってきてそこから折れてしまったり。
過去に私が用意した3人用テントのポールが折れてしまったことがありました。3泊の幕営中、悪天候が続き同じ方向から風が吹き続けました。結局行動できずに撤収することになり「テントが持ってよかったね」って話をしながらテントを片付けていると、ポールに亀裂が入って折れていました。
何とか最終日まで持ってよかったものです。
ちなみにテントのポールは簡単に修理してもらえます。登山用品店に行ってポールの修理を依頼することができます。パーツがあればすぐに修理してもらえますが、パーツがないと少し時間がかかるのでシーズン終わりや前などに点検するのが良いと思います。
雪の影響
テントを立て何日も停滞しているとドカ雪でテントが雪に押しつぶされてしまうことがあります。年末年始などは根雪が少なくうまく雪洞を作れないこともあり、テントにブロックで幕営することもあるでしょう。
そんな中、爆弾低気圧で1日1m以上も雪が降ると、定期的に除雪しないとテントはつぶれてしまいます。しかし外は吹雪、除雪に外に出たくないですよね…
設営中にテントに穴をあけてしまうなど
冬山では先端のがった金物をたくさん持っていきます。
アイゼン、アックス、スノーソー、ワカンのツメ、スノーシャベルなど。
テント設営時にはこのような金物やとがったもの、テントを傷つける可能性のあるものは離れた場所においておかなければ、ふとした時にテントに穴が開いてしまうことがあります。
作業する前に平らなところでアイゼンを抜いで、周りに気を付けるようにしましょう。
テントの幕は薄いので、あっさり穴が開きます。穴が開くと強度は一気に落ちて、強風などで裂けてしまう可能性が高くなったりします。
雪洞系のトラブル
雪洞内が酸欠になる
雪洞の中で停滞していると、酸欠になることがあります。火器を付けようとするとうまくつかないようなときは酸欠になりつつあるかもしれません。私は経験はないですが、寝ている間に酸欠になったりしないように注意したいです。
また、テントの中でも火を焚いて暖を撮りすぎたりするとたまに酸欠になります。
雪洞がつぶれる
雪洞がつぶれることもあります。斜面に雪洞を作ったとして、斜面の形状がよくわからないまま掘り進めることなどはよくあると思います。雪洞の中をどんどん広くしようと掘り進めたり、天井を薄くしてしまうと突然崩壊することがあるでしょう。
これイグルーでも同じですが、色々作業しているうちに崩壊に近付いていくことがあります。
また、中で火を焚いて炊事をしたり、生活していると天井が薄くなっていくこともあります。
雪洞がつぶれて雪の下敷きになり、首の骨をやってしまった、と言う話も聞いたことがあります。
雪洞から脱出できなくなる
厳冬期の連日の降雪で雪洞の上にどんどん雪が積もっていくことがあります。雪洞から脱出しようと穴を掘り進めるも全然外に出れないなんてことも起こり得ます。
生きた心地がしない時間ですよね。
火器関連のトラブル
ガスヘッドを忘れる・故障する
ガスヘッドを忘れることは冬山での致命的なミスの一つです。
冬山では日中でも0度を上回ることはまずないので、ガスヘッドを忘れると言うことは雪を溶かして水を作ることができないこと、そして大抵は水を使って食事を作るので食事をとれなくなる、と言ったことに繋がります。
もちろん暖も撮れませんし、装備を乾かすこともできません。
ガスヘッドに関わらず火器関連を忘れると特に致命的になります。
その理由は代替ができないことや、パーティの共同装備である場合が多いので、1人忘れたらパーティ全体が窮地に陥るためです。
ちなみにガスヘッドを忘れた、って話は実際に聞いたことがあります。
絶対に忘れてはいけないものの一つではありますが、ガスヘッドは最初のほうにパッキングする道具でもありますし「忘れたかも?」と思っても見返すのが面倒でもありますよね。
またガスヘッドが故障しても同様の問題に直面します。もし長期の山行や悪天の停滞を含むような行動になってしまった場合、ガスヘッドが故障すれば場合によってはかなりの窮地となるでしょう。
そのため、厳冬期に長期で奥深い山に入るときはパーティの中でメインのガスヘッドと軽量なもので予備を持っていくことも多いです。
ライターが濡れる、紛失する
火器関連で行くとライターの濡れなども注意しなければなりません。そんな初歩的な…と思うかもしれませんが良くあります。
手が知らない間にぬれていて湿らせてしまったり、テントの中の湿度が高くなると火打石の部分が湿気ってしまって火がつかなくなったり。
あれ、火がつけられない!ん?ライターが濡れている。。みたいなことは結構しょっちゅう起こります。
そのため小さいジップロックに入れて、いくつか予備を別の場所に保管するようにします。例えば一つはガスヘッドと同じ場所に入れて、もう一つはピンチパック(救急セット)の中に入れて、一つは懐のポケットに入れて置いたりします。ライターが冷え切ってしまうとうまく着火できないこともあるので、一つは懐に絶対入れておきます。汗で湿ってはいけないので小さいジップロックに入れます。
パーティで行く場合は火器担当の人がいたとしても、みんな予備で持ってきていたりして、あれ、火がつかないなあ?ってなったらそれぞれが持っているライターを順番に試してみたりします。
それほど火がつかないことは大変な事態です。
ガス缶が冷え切って火が安定しない
イワタニなどのガスで寒冷地用のものを使っていても、厳冬期の山の中では炎が安定しない場合があります。ガス缶が冷え切ってしまうと燃料が気化できなくなってしまうためです。
その場合はガス缶を手で温めたり、直接ライターの火であぶったりして少したためてやると一気に気化が進みます。しかしまたしばらくすると燃料が冷えてくるので、分離式のガスヘッドで火で燃料缶を温めてやると良いです。
ガス缶を直接温めるのは怖いですが、意外と大丈夫です。
寝具関連
マットがパンクする
長期の登山でエア式のマットがパンクすると寝心地が悪いだけでなく、背中からの冷えで寝れなくなってしまうかもしれません。長期の場合は修理できるように準備しておいた方がいいかもしれません。
水関連
雪袋を忘れる
雪袋はテントの中で水を作るために雪を集める袋です。ゴミ袋なんかを使うことが多いですが、忘れても致命的ではないですが、ちょっと面倒です。
雪袋は普通のごみ袋よりちょっと分厚い(資源ごみ用など?)頑丈なタイプを使うと良いです。
雪袋をテントに持ち込んで水つくりをすることも多く、雪袋に穴が開くとテントの中で雪が漏れて装備を濡らすことに繋がってしまいます。
水タンクを破裂させてしまう
プラティパスのようなタンクに作った水を入れて、テントに保管しておくことが多いと思いますがそれを踏んで破裂させてしまうことがあります。
そうするとテントの中の全員の装備が濡れることになり、また水を除去するのがかなり大変になり、場合によっては致命的になると思います。
訓練の時に別のテントの誰かがやって大変なことになっていたようでした。
水タンクが壊れて(漏れて)しまう
プラティパスのような水のタンクが傷んでいたりして、水がにじみ出てしまうことがあります。
水のタンクは意外と劣化して水漏れなどを起こすので、私は購入した時点で水がにじみそうな場所をダクトテープで先に補強するようにしています。
水タンクを凍らせてしまう
プラティパスのような水のタンクの中の水が凍ってしまうことがあります。
夜に作った水を朝使うときなど、プラティパスに入れて夜置いておくことがあります。
寝るときは凍らないようにテントの外壁側に置かないようにしたり、一人だったらシュラフカバーの内側に入れたりしますが、うっかり凍らせてしまうことがあります。どのくらい凍っているかによりますが、しっかり凍ってしまうと溶かすのに無駄に燃料を使ったり時間を使うので大変です。
保温用ボトルが壊れてしまう
テルモスのようなボトルが突然ダメになることがあります。
実際に冬山で起こりました。なぜか保温ボトルなのに外側が暖かく、中にいれた熱湯が外側に漏れているような感じがしました。
おかしいな?と思っていたのですが、すぐにボトル内のお湯は水になってしまいました。ツイッターでつぶやいた所同じ事例になっている人が何人かいて、また私の先輩も2つほど同じ事例で故障したと言っていました。
理由はわかりませんが、買ってすぐにこのような事態になったので困りました。
この時は一泊だったので良かったですが、場合によっては致命的になると思います。
まとめ
実際の事例もいくつかあり、伝聞もありますが思いつく限り、特に致命的になりそうなありがちなトラブルを記載してみました。たまに追記するかもしれません。
ネタのように書いていますが、モノによっては命にかかわるものもあります。こういったトラブルは事前に予期してリスク管理できるものもありますが、どうしても現場で起こってしまうものもあると思います。
私も注意したいと思います。