こんにちは。今回は2018年7月3連休の北アルプス縦走のレポートです。
北アルプス名峰オールスターズをテント泊でゆったり楽しんできました。
奇跡の三日すべて好天の最高の山の旅となりました。
少し長めのルートですが時間的な余裕はあり、歩きごたえのある楽しい行程でしたので、ご紹介したいと思います。
7月の北アルプスは岩に緑に残雪に、これぞ北アルプスという山旅になりました。
注意といたしまして、今回の計画は一般コースタイムでは一日12時間を超える内容があります。個人の体力・体調にあった計画に調整していただきますよう、ご検討ください。
また、長く(写真が多く)なりそうなので記事を2泊3日の1日ずつの三本に分けました。本記事は1日目の記録と行程の紹介です。
今回のルートと実際の行動時間
2日目:北穂高岳(4:00)~槍ヶ岳(9:00)~双六小屋(12:00)行動時間8時間
3日目:双六小屋(4:00)~笠ヶ岳(8:00休憩-9:10)~杓子平(11:20)~新保高(13:30)行動時間9:30
駐車場は新穂高温泉の鍋平の登山者駐車場を利用しました。前日の夜に深仙宿に停めたくて向かったのですが、案の定満車でした。話によると昼ごろには満車だったとのこと・・。
ルートの概要
新穂高から白出沢へ入り、奥穂山荘まで標高を上げ、縦走を開始しました。
そこからのルート上で経由した主なピーク(スルーピークも含む)は奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、南岳、大喰岳、槍ヶ岳、双六岳、笠ヶ岳となります。
下山は笠新道より新穂高へ。
ちなみに下山後は鍋平まで登る気になれず、ロープウェイを使いました笑。
400円くらいだったので使っちゃいました!
ルートの傾向としては
奥穂高山荘~南岳くらいまでは岩稜中心の危険個所がある縦走路。
そこから槍ヶ岳~双六岳~笠ヶ岳までは一般的な歩きやすい縦走路です。
全体を通してアップダウンは多いです。
一日目:新穂高から奥穂山荘・涸沢岳経由で北穂高へ
今回の旅は関西の友人とスタートしました。
連休前夜に鍋平の駐車場でそれぞれ車中泊して朝に合流です。
ちなみに、連れは1日目に白出沢を登り切ったくらいで足を痛めて2日目の朝に上高地へ下山。そこからソロになりました。
鍋平駐車場に車を停めたために、余分に30分くらい下ります。
大した距離じゃないですが、朝っぱらからなんとなく無駄に歩いている気がして愚痴がこぼれてしまいます。
駐車場から新保高ロープウェイまで下りてきたら、ロープウェイの乗り口の右側から平坦な林道を歩き、
暫くすると奥穂への分岐が見えてきます。写真は槍ヶ岳への看板ですが・・。
白出沢ルートで奥穂山荘まで!地獄の1800m標高上げ
林道の分岐から穂高岳山荘まで、ひたすら登って標高を上げます。
危険個所などはありませんが、
谷を詰めていくと途中で森の中へ入るのですがそのあたりが少しわかり辛かったです。
縦走登山の場合、たいてい初日は地獄の標高上げとなりますが、
今回はなかなかの地獄っぷりでした。
新穂高ロープウェイの登り口の標高が1,117mで、穂高岳山荘が2,996mの位置にあるようなので
この日にまず上げる標高は1,879mとなります。
標高を上げ終わってからも、一日目は北穂高岳のテント場までの予定なので、
さらにアップダウンを繰り返して進みます。
ここで一番つらかったのは暑さです。まあこれは三日ともでしたが・・。
枯れた沢を登り、遠くに見え続けている穂高岳山荘を目指して歩くのですが、
沢に敷き詰められている石や岩は全部白っぽくて太陽の光を反射します。
下を向いて歩いているのに、下からも太陽の熱波を浴びているような感覚です。
恐ろしい照り返しでした。もちろん頭上からの太陽光も降り注ぎます。
マジで照り焼きになるところでした・・。
穂高岳山荘が見えてからはずっとそんな感じで日陰も全くありません。
また、森を抜けてからずっと穂高岳山荘が見えているので
いわゆる「見えてるのに近付かない」状態。おまけに灼熱。
最高の天気が仇となり、暑さに参り続けた一日目になりました。
今思えば熱中症になりかかっていたような気もします。今までで一番熱ダレしていた気がします。
普段は私も同行者もあまり休憩はしませんが、この日は何度も何度も休憩しました。
しかし、誰も追いついてこないところを見ると、どうやらここはみんなしんどい箇所なんだろう、と少しホッとしました。
この地点で同行者のトレッキングポールが折れ、その後膝の痛みを訴え始めます。
連れの荷物はなぜか20kgほどあったので、その影響も大きかったと思います。
ただ、おいしいお菓子をたくさんもらったので文句は言えません笑。
振り返ると笠ヶ岳がこちらを覗いています。
明後日にはあそこにいるのかと思うとわくわくする一方、本当に行けるのか?という不安に苛まれます。
そうして、やっとの思いで穂高岳山荘に到着しました。
5:00に登り始め(鍋平から)、11:00ごろに穂高岳山荘に到着しました。
何とかこの日、一番の登りは終わりました。
暑さで二人ともバテバテだったのと連れの膝の痛みから、長めに休憩を取りました。
天気は相変わらず最高で、穂高岳山荘から涸沢カールのテント場を眺めながら、ゆったりと休憩しました。
涸沢岳を超えて北穂高岳へ、岩稜縦走の始まり
休憩をたっぷりとってから、12時ごろに穂高岳山荘を発ち、北穂高岳を目指します。
ここからが今日の目玉ルートです。
楽しみにしていた涸沢岳を越えての岩稜歩き。
この区間は大キレットより危ないとかそんな話を何度か聞いていて、
岩歩きが好きな私としては、歩いてみたいルートの一つでした。
と言っても大キレットはまだ歩いたことはないのですが。
涸沢岳まではやや岩の多い普通の道で、涸沢岳を超えるとすぐに北穂高岳が目の前に見えてきます。
そして北穂高岳に続く岩の道が眼前に広がります。とても迫力のある、美しい光景です。
この道をたどってあのピークへ行くんだ、という感動で震えていました。
何せ天気が良く、絶景。
北穂がドーンと正面に見え続けている感じが、景色的な迫力があって素晴らしいです。
目指す先が見えているというのは良くも悪くも、ありますね笑。
先ずは大きなキレットの暗部を目指して下っていきます。
結構ダイナミックな下りで、標高をがんがん落とします。
浮石はほどんどありませんが、石を落とすと下の人に当たりそうな感じで、注意が必要です。特に渋滞などしているときは要注意です。
ルートは明瞭、危険個所には鎖があるので落ち着いて歩けます。
すれ違う人はまばらです。連休初日なので逆ルートは少ないのでしょうか。
岩歩きが始まると俄然テンションが上がって、楽しくなってきますが、
少し歩くと、すでに暑さで体がバテていることを思い知らされます。
全体的に岩歩きの難易度はやや高めだと思いました。
特にテント泊などでは荷物の引っ掛かりなどに注意したほうがいいと思います。
右も左も絶景で、前も後ろも絶景で、終始感嘆の声がとまりません。
正直この日だけでも十分に満足感がありました。まだ一目なんだ!
最後に北穂高へ登り返し、やっと北穂高岳のテント場が見えてきます。
最高の絶景、北穂高岳のテント場・北穂高小屋
ようやく到着した!
14:30ごろ、一日目の宿泊地の北穂高岳のテント場に到着です。
このテント場がまた最高なんです。
まさに絶景テン場。
見た感じ崖の上にテントが並んでいるように見えます。
地面は岩ばかりで、ごつごつしてマットの上からでも痛くて寝辛そうです。
これまで色々なテント場に泊まってきましたがここほど山を感じられるテント場はありませんでした。テント場は空いていました。
北穂山荘も素晴らしい小屋なので、わざわざテントで来る人も少ないのでしょうか。
連休なのにやや閑散としたテント場にとても満足しました。
ちなみに、テント設営中に指の上に岩(テントを固定しようとしてたでかい岩)を落として絶叫。「指、マジで折れたかもしれません。これやばいやつです(おおげさ)」
と真剣に焦ったのはここだけの話(爪の中が内出血した)。
テント設営時には気を付けましょう・・。
テント場から北穂小屋までは意外とすぐです。地図には20分とか書いてあったと思いますが、「思ったより近くてよかった」とほっとしました。
北穂山荘からの絶景と美しい夕日
テントを張ってひと段落したら、夕食の準備を持って北穂山頂と北穂小屋に向かいました。
北穂小屋のテラスは絶景。
今回は絶景って単語を何度使えば気が済むのだろうか・・
ここから槍の方へ伸びる稜線、正面に常念山脈、そして反対側には笠ヶ岳も見えます。
翌日に歩く予定の大キレットから槍ヶ岳へ続く稜線が見えます。
昼は灼熱でしたが、日が傾くと寒くなってきます。
やはり3000mの稜線です。
閑散としていたテント場とは打って変わって北穂小屋は大賑わいでした。
北穂小屋は評判もとてもいいですし、立地も言わずもがな素晴らしい、
やはりお客さんが多いようです。上高地から一日で到着するのもいいですね。
私も小屋に泊まりたいなーなんて思いながら、テラスで食事をとり、
穂高の中心で一日の終わりの空気を堪能しました。
連れが購入したビールをおいしそうに飲んでいるのを見て、
私も絶対禁止していた、小屋での飲料の購入を解禁してしまいました。
CCレモン、最高すぎて二本も飲んでしまいました。勿体ないけどたまにはいいよね!
ちなみにこのせいで小屋でのジュース購入にハマってしまい翌日もCCレモンを買いました・・。
夕方には飛騨側から雲がわんさかわいてきました。
北穂のピークで夕暮れを待ちました。
雲と岩と夕日、澄んだ空気、たまらない一日の終わりでした。
テント場に戻ると、夕日でピンク色に染まった堂々たる山々がこちらを向いているようで本当に最高の一日と日没を感じることができました。
一日目はここまで。続きはちょっとまってね。書きたいレポートがたくさんあるんですがなかなか進みません。レポートは自分の記録のためにも覚えているうちにできるだけ書きたいと思っているのですが・・。