【登山】聖岳・赤石岳を3泊4日(テント泊)でピストン縦走【南アルプス】

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3泊4日で聖岳・赤石岳をピストン縦走してきました

こんにちは。お盆休み南アルプスの南部の2座、「聖岳(3,013 m)」「赤石岳(3,120 m)」をピストン縦走してきたので、今回はそのレポートです。

南アルプスは初めて登りましたが、北アルプスと比較して森深く、雄大な山並みのなかで、落ち着いた登山を楽しむことができました。

今回の同行者は父親です。

通行止めで畑薙第一ダムに行けない!?急遽予定変更

登り始める前日の夜に、椹島ロッジ行のバスが出ている、「畑薙第一ダム」へ向かう予定でした。しかし、静岡側から北上する道がなんと通行止め!深夜12時頃の出来事です。

このままではたどり着けない!

ということで、考えた末に急きょ山の反対側の聖岳側「易老渡」から登ろう、ということになりました。畑薙第一ダムにかなり近づいていたので、山の反対側までGoogle Mapのナビで150キロ程度、3時間かけて移動する必要がありました。

当初は「椹島~荒川岳~赤石岳~聖岳~椹島」というルート3泊4日で周回縦走する予定だったのですが、「易老渡」から登り始めたことにより、周回では日程的に無理があるので「聖岳~赤石岳」のピストン縦走に変更したのでした。

南アルプス周辺は落石や、土砂崩れによってよく通行止めになるようなので、事前に連絡して通行可能か確認することをお勧めします。私も今回は勉強になりました。とほほ。

今回のルート・行程

全体、3泊4日(2018年8月)

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・1日目 芝沢ゲート~易老渡~聖平小屋(8時間)
・2日目 聖平小屋~聖岳~百間洞山の家(8時間)
・3日目 百間洞山の家~赤石岳~百間洞山の家~兎岳避難小屋(8時間半)
・4日目 兎岳避難小屋~聖岳~易老渡(芝沢ゲート)(9時間半)

最低点の標高: 900 m /最高点の標高: 3091 m
累積標高(上り): 5034 m/累積標高(下り): 5005 m

易老渡から聖岳~赤石岳のピストン縦走で、全体の距離は37 kmほど。
ただし、芝沢ゲートから通行止めのため、車道歩きが合計12 km加算されて、49 km程度となりました。

3日目は百閒洞山の家のテント場に荷物を置いて、赤石岳ピストンをしました。

荷物は20kgちょっとほど。

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1日目 芝沢ゲート~易老渡~聖平小屋(8時間)

車道歩きから始まる。登山口はどこだ!?

早速車道歩きから始まります。易老渡までは車で入れず、5.6キロ弱手前の芝沢ゲートから歩きます。

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第二駐車場に止めたのでさらに500mくらい離れて、易老渡まで6キロほどの道のり。さらに易老渡から便ヶ島まで2キロほどあるので、実質片道8キロほどの車道歩きです。2時間くらい歩いたでしょうか。

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20キロもの荷物を担いで歩く車道はつらいものでした。登山口はどこやねーん!と何度も思いながら歩いていました。ただ、本当にしんどかったのは帰りでしたが・・。

ようやく登山口へ・・と思いきや、まったり遊歩道歩き

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登山届の提出場所などがある便ヶ島からようやく山に登るのかと思いきや、そこから西沢渡まで遊歩道歩きです。アップダウンのない遊歩道を歩いていきます。

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沢沿いにきれいな森の中をゆったり歩けます・・・と思いきや!

山が崩れて道が途切れていて、崩れた土砂の上をトラバースするように横切ります。もし落下したら命はなさそう・・な場所でもあります。まったり遊歩道歩きでしたが、ところどころヒヤヒヤスポットがありました。

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この遊歩道は昔は鉄道が走っていて、廃線後に登山道として活用されているそうです。

2 kmほどそんな遊歩道を歩いて、西沢渡に到着です。

人力ロープウェイ「野猿(やえん)」で川を渡る!?

西沢渡まで到着すると対岸に渡る必要があります、が、橋がありません。
おそらく流されてしまったのでしょう。

その代わりに何やら乗り物が・・・。

これはもしや・・・野猿(やえん)!人力ロープウェイですね。

荷台(?)に乗り込んで手でロープを引っ張りながら、対岸まで自分で自分を移動させるという、乗り物。

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奈良の十津川あたりで見たことがありますが・・これに乗らないと対岸にはたどり着けそうにありません・・。

私たちが到着したときは野猿は対岸にあったので、まずは手繰り寄せてこちらに持ってこなければいけません。これが重いんです。近付けば近づくほど、重い・・。私は腕力には自信がありませんので、大変でした。

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そして乗り込みます。同行者の父が引っ張ってくれます。私も手伝いつつ、対岸に到着。へとへとになりしばし休憩。川を渡って少し歩いたら廃屋が見えてきます。ここからいよいよ聖平に向けての登山道が始まります。

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急登と長い樹林帯歩き。本当にしんどい道のり

ここから薊畑まで、4時間かけて登っていきます。距離は4キロ弱でコースタイムは4時間半。ここで1400m程標高を上げます。

この急登がしんどいのなんのって・・。特に序盤は標高も低いので、蒸し暑い。斜面に沿っての急登を登ります。バランスを崩せば下まで転げ落ちてしまいそうな急斜面で、気を使います。荷物が大きいので、ふら付かないように慎重に。

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景色は2時間くらいは変化がありません。そして、滑落注意の文字が至る所にあります。

イメージ的には関西でいえば武奈ヶ岳、坊村~の急登のでっかくてやばい版、みたいなイメージです。はっきり言って地獄でした。

さらに、ハチがたくさんいて、2時間以上追い回されて、休憩もできず本当に辛かったです。肉体的にも精神的にもハチに追われるということがこんなにも不快だとは。大きな羽音がずっと追いかけてくる恐怖は忘れられません。

このルート、次回も通るかと言われるとかなり迷いますね。

しかし、この森、悪いことばかりではありません。
とても美しいのです。

美しき赤石の森、聖岳登山道の苔平

この登山道、標高が上がってくると地面が赤くなってきます。「赤石山脈」の名の通り、赤石が敷き詰められているのです。

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深い森や倒木を覆う苔の「緑」の色と赤石の敷き詰められた「赤」い道のある森はとても美しく幻想的、ファンタジーの世界を歩いている雰囲気でした。

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やや霧がかった森の中に、木漏れ日が光の筋となって差し込む様子は息をのむような光景でした。
南アルプスの雨の多さがこういった苔やシダ系の豊富な緑豊かで深い森の植生を育んでいるのでしょうか。

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豊かな緑の森や赤い石の世界を歩く中で、悠久の時を経る中で広がった、深く雄大な森。
すべての動植物が森そのものであり、森は一個の生命なんだなと、感じることができます。
どこかの漫画できいたセリフですが笑。

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登山道の厳しさも、人の立ち入る数を少なくして、森をあるがままの形に留めているのかもしれません。
実際に、登り、下りでこの登山道で人にすれ違ったのは10人に満たないほどでした。

森林限界がこない!

1日目は一度も森が開けることがありませんでした。

北アルプスでは2400m付近で森林限界となり、高木が育たなくなります。そうすると森が開け、急に見通しが良くなります。この見通しの良い風景がきたら、「高山まで登ってきたな」と感じるものですが、今回の道のりでは1日目は樹林帯を抜けることが一度もありませんでした。

森林限界が来ることで、標高の高さを実感することがでるものです。森は森で美しいのですが、いつまでたっても開けない景色に正直少しウンザリもしていましたし、急登が続くので精神的にもつらかったです。

南アルプスの特徴と言えるかもしれませんね。北アルプスよりも温暖なので、森林限界は体感的に2600m~2700m付近以上といった感じ。縦走中もちょっと標高が下ったら、すぐに樹林帯に入ってしまいます。

北アルプスの場合は縦走では開けた稜線を長く歩くイメージがあるのですが、そういった点でイメージが異なります。

聖平小屋でテント泊

森を抜けると薊畑との分岐に出ます。ここから、聖岳山頂方面と聖平小屋方面に分岐します。
私たちは次の日に聖岳へ登る予定なので聖平小屋のテント場を目指します。

聖平のテント場まで結構下ります。20分位下ったところに木道が現れ、そこから5分ほど行くと聖平の小屋が見えてきます。

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テント場は広いですが、小屋そのものはなかなか小さいようでした。小屋はかなり混雑していて、小屋泊なのに寝る場所がなく、外に貼られたテントで寝るよう指示された人もいたそうです。

テントでの宿泊料金は一人700円でした。
水場は無料、トイレは少し離れた場所にありますが、小屋の利用者と共用なので常に混雑していました。きれいなトイレでした。

テント場につくや否や雨が降り始め、雨のテント泊となりました。

ちなみに今回の登山ではすべての日で雨が降りました。
が、すべてテントを張った後で、雨の中を歩くことはなく、運がよかったです。

2日目 聖平小屋~聖岳~百間洞山の家(8時間)

さて、この日は5時に出発です。日は少し上り、ライトは必要ないくらいの明るさです。
朝の聖平は少し霧がかっていて、濡れた草木が輝き美しい風景でした。
これから、聖岳を越えて、今日の宿泊地である百間洞山の家に向かいます。

振り返ると聖岳が見えています。
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聖平から聖岳へ

聖岳へは薊畑をこえ、「前聖岳」を登った後に登ります。聖平小屋からは2時30分程度でしょうか。

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聖平小屋から聖岳へピストンする人や、分岐で荷物をデポしてピストンする人なども多く、そうした人はアタックザックで軽快に登っておられました。テントを担いで縦走する荷物が極端に大きい人と、混在していて、おもしろかったです。

薊畑からはしばらく登らないと、樹林帯を抜けることはできません。前聖岳を超えたあたりでようやく木々が低くなって(森林限界)見通しが良くなってきます。すると、ドーンと目の前に大きな聖岳を見ることができます。

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これが聖岳か~などと思いながら眺めます。

聖岳へ、急登をジグザグのぼる

前聖を超えて少し行くと、いよいよ聖岳の斜面へ。この斜面、かなり急です。標高が高く空気も薄いのでゆっくり、歩幅を小さく登っていきます。まさに心臓破りですが、ゆっくり行けば大丈夫。

右へ左へ大きくジグザグと登山道が続いています。歩いても歩いてもなかなか山頂が近付いてこないのですが、常に山頂が見えていて、富士山登山を思い出しました。登っている途中右手のほうに本物の富士山が見えます。

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登り始めてから山頂までは1時間弱ほどで到着します。
道中、振り返れば茶臼岳~の山並みが見渡せます。

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ハイマツの中にライチョウを見つけました。画像中央の黒い鳥の影がライチョウです。広角レンズしかもってなくてこんな小さい写真になりました笑。

登頂!聖岳

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そうして聖岳(3,013 m)へ登頂。

正面には赤石岳が見えていて(この写真は最終日のもの)、さらに本日の宿泊地である「百閒洞森の家」赤い屋根が森の中に見えていました。

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山頂は広く、たくさんの人が休憩をしていました。この日はここから兎岳を超えて百閒洞山の家へ向かいます。
聖岳から百閒洞山の家までにはいくつものピークを超える必要があり、なかなか大変な道のりでした。

また、私たちの今回のルートは「ピストン縦走」なので、今から歩くすべての道を引き返してこなければならないこと、
そして、二日後には再び聖岳に登頂しているはず、ということ、を考えるとちょっと大変そうだなーとか考えていました。

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兎岳~小兎岳~中盛丸山~百閒洞森の家

聖岳から急な下り坂を一気に下ります。ここでは標高がかなり下がるので、次の兎岳への登り返しのことを考えると「どこまで下るの!?」って叫びたくなりました笑。

かなり下って、やっと底が見えて少しすると、すぐに登りが始まります。明後日はここを登っているのか・・。そんなことを常に考えてしまいます。
再び樹林帯歩きに入ります。

登り始めて少しすると、向こうから降りてくる人がいて、「下りの底はまだ見えませんか~?」と聞かれました。これは登りも相当長そうだな・・と思いながら「もうちょっとです」と答えました。

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そこから兎岳はなかなかの強敵でした。さらに兎岳からはいくつかの名もなきピークを越えつつ、中盛丸山に登ります。

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兎岳を振り返った様子。

中盛丸山までこれば後は百閒洞森の家まではほぼ下り坂です。
しばらくすると分岐があります。

ここで「百閒洞森の家」まで1KMと書いてあるのですが、これは嘘です!
絶対に信じないでください。

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ここから体感ですが2 kmはあると思います。ずっと下りですが、とにかく1 kmよりははるかに長いのでぬか喜びせずに、ゆっくり進むことをお勧めします。

私はこの1 kmに騙されて喜び、精神的にまいりました。短絡的なので困ったものです。

下っていくと赤い屋根が見えてきます。
朝に聖岳から見えていた遠い屋根まで来たんだな、とちょっとした達成感と安堵。

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私が小屋に到着したのは14:00くらいでしたが、小屋のランチ営業は終了していました。

テントの受付(600円/一人)をして、テントを張ります。テントサイトは管理されていて、場所を指定されました。
ここは小屋からテント場まで少し離れていて、指定されるテントサイトによってはかなり遠くなってしまいます。
私たちは幸い一番近い場所にテントを張ることができました。

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テント場の横には小川が流れていて、水の音を常に聞くことが出きます。
この日もテントを張ると雨が降り始めました。

既に前日に濡れているテントを張り、中で落ち着きます。テントを打つ雨の音を聞きながら眠りにつきました。
森の中なので風におびえる必要はありません。

3日目 百間洞山の家~赤石岳(ピストン)~兎岳避難小屋(8時間半)

この日は朝3時30分に出発です。テントは張ったまま、荷物を置いて赤石岳までピストンして帰ってきます。

戻ってきてからテントを撤収して、3泊目の宿泊地・兎岳避難小屋に向かいます。

赤石岳、登頂!

暗闇の中を登っていきます。大きな赤石岳の影が見えています。

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私は行き先が見えていると気になってしまうタイプなので、日が出る前から登ると道が良く見えないので、逆に軽快に登ることができます。あと、夜明け前はとても涼しいので歩きやすいです。
もちろん、明るい時より道迷いや滑落の危険があるので慎重に。

あたりがぼやーと明るくなってくると、驚くことに周りが赤い!

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赤石の世界です。朝焼けに赤石が照らされて、とにかく赤いんです。

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これが赤石岳か・・などと感動しながら赤い世界を歩きます。
赤石岳の核心部はそれなりの急登ですが、距離が短いのであっという間に終わります。
また荷物も軽いので楽に楽しく登れます。軽いって素晴らしい。

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朝日が向こうからさしてくる。岩の稜線を超えてちょっと行くと赤石岳避難小屋が右手に、左手に赤石岳山頂が見えてきます。

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そして赤石岳(3,120 m)登頂!

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荒川岳へ続く道はとても雄大で美しいです。今回は荒川方面へ周回できなかったことが少し悔しいですが、また、来たいですね。

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赤石岳避難小屋に立ち寄って赤石岳のバッチを購入。そして朝から我慢して限界だったトイレを済ませました笑。
山では、なぜか朝キバってもウンチがでないのに、少し歩き始めるとおなかがゴロゴロし始めるの、なんでなんでしょう?私だけでしょうか。

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赤石岳を後にして、テントを残してきた百閒洞森の家へ戻ります。

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そういえば、赤石岳避難小屋に貼られていたこの言葉、とても気に入りました。

「山を想えば人恋し、人を想えば山恋し」

山へ入るとなぜか人と話したくなるものです。一人で山へ入ってもすれ違う人や山小屋で人と無性に話したくなったりします。でも、街にいて人の社会で生きていると山が恋しくなってきます。

道中、甲斐駒ケ岳から南アルプス全山縦走してきて、台風の中山にいたというツワモノと出会いました。出発時の荷物はなんと30 kgだそうです。カッコいいですね。

赤石岳〜百閒洞森の家~兎岳避難小屋へ

赤石岳から百閒平を経て、百閒洞森の家への道のりはとても歩きやすく、美しい景色でした。アップダウンのない気持ちのよい天空の道といった感じです。

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あわよくば乾いていてくれれば・・と思っていたテントは乾いておらず、濡れたまま撤収。

今回の山行最後の宿泊地の「兎岳避難小屋」を目指します。

百閒洞森の家からまた来た道を引き返します。これまで下ってきた道は登りに、登ってきた道は下りになります。

兎岳避難小屋にはトイレも水場もないので、小兎岳~兎岳の間の水場で水を補充して行きます。
水場は結構わかりにくいですが、北側から歩いてくると、石に「水」と書いてあります。

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兎岳は相変わらず大きくて、一歩一歩、ゆっくりの登っていきました。
山頂からちょっと下ったらすぐに兎岳避難小屋があります。

外はおんぼろ、まるで石棺!?改装された兎岳避難小屋

14:00ぐらいに兎岳避難小屋に到着しました。こちらは完全無人で水なしトイレなしで、無料。

一番乗りです。というかだれか来るのかな?
と思ってたらこの日は大盛況でした。

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外はこんな感じ。完全に廃屋ですね。崩れた石棺のようにも見えます。

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中はこんな感じ。外観に反して以外にもきれいで、床も木とかじゃなく樹脂製。カビなど生えにくそうですね。
扉はきちんと閉じないけれど、避難小屋としてはきれいな部類だと思います。

ちなみに、中は最近改装されてきれいになったとのことでした。以前は草をしいて寝ていたとお話しされていました。

避難小屋の前にテント場っぽいところもあって、テントのサイズにもよりますが、4張りくらいはいけそうでした。実際にこの日はそのくらい張られていました。

テントも快適ですが、広々と寝られてよかったです。ただし、一緒に寝た人のいびきが三重奏でうるさかったです。
まあテントでもお隣さんからいびきが聞こえる場合もありますが・・。

4日目 兎岳避難小屋~聖岳~易老渡(芝沢ゲート)(9時間半)

さて、今回の南アルプス登山も最終日となりました。再び聖岳に登り、下山します。

この日も出発は3:30ごろ。テントの撤収の必要がないので素早く準備ができます。

これで聖岳へは南からも北からも登ったことになります。聖岳を完全制覇!
奥聖岳には行ってないですけど・・・。

聖岳で日の出が見れればいいなあと思っていたのですが、雲が多く日の出は見られず。
山頂でゆっくりしました。

二度目の登頂です。

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北を見ると中央アルプスと北アルプスの穂高連峰が見えます。

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遠くの赤石岳にさよならを告げて、二日前に登った急登を今度は下っていきます。みんな死にそうになりながら登ってきます。きついんですよねここ、などと思いながら横目に下ります。

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登ってくる人に口々に、「もう登ってきたんですか?早いですねー」と言われましたが、私たちは反対側から登ってきたので想像されているのとはちょっと違うんですけど、「朝早く出発しましたから!」と返答しておきました。

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そうして、下山。長く傾斜のきつい下り坂にヒーヒー言いながら、再び「西沢渡」で、野猿にのります。

ここで、先に行った人が手伝ってくれて、3人で野猿を動かすことに。その方がとても力強くて私たちが必至で引っ張るよりもはるかにグイグイ引っ張ってくださって本当に助かりました。一人だったらと思うとぞっとします。山には思いやりがあって気持ちのいい人間が多いです。本当に感謝。街の人間はなぜ自分のことばかり考えギスギスしていたり、見て見ぬ振りをする人間ばかりなんだろうと、悲しくなりますね。

そして、最後の地獄、車道歩き

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下山してから、易老渡でテントを乾かしながら食事をとりました。
なんとテントは15分位できれいさっぱり乾いてしまいまいました。恐るべしアライテント。そしてお天道様ありがとう!

それから2時間程度歩いて、車まで。車道歩きは楽しくないし、アスファルトでは登山靴は歩きにくいので地獄でした。

四日ぶりのお風呂へ・・「かぐらの湯」

下山後は4日間お風呂に入っていないので、まず風呂に入りたい!

下山途中、様々な場所に掲示されていたこの看板。
手書き感があって目につきます。

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最も記憶に残っていたので、ナビに入力して早速向かいました。登山道に温泉のかんばんはなかなか効果あると思います。
「かぐらの湯」は道の駅に併設されていました。

いかがだったでしょうか

初めての南アルプスの南部登山はとても楽しいものとなりました。また、実はテント泊で3泊以上は初めてでした。
荷物の重さにヒーヒーいいながらもなんとか最後まで歩ききることができてよかったです。

聖岳登山口から、聖平までの森歩きは過酷でしたが、原生林のような豊かな自然を感じながら歩くことができてとても楽しかったです。

また、南アルプスの雄大さは北アルプスの岩々したゴジラの背ビレようなカッコいいトゲトゲの岩稜とは違っていて、広く大きな稜線が大きな山の尾根を伸びていて遠くまで続いていました。歩くだけで深い山の懐に抱かれているような、自然の中をまさに歩かせてもらっているんだなあ、と感じる時間でした。

山に感謝、南アルプスに感謝!また登りにいきたいと思います。

今回の私たちのルートは畑薙第一ダムへの道が通行止めとなっていたため急きょ変更したものでしたが、無理のない楽しい山歩きができたと思います。

しかし、次回は事前に交通情報をきちんと調べて、計画的な登山を心掛けたいと思いました。

皆様も登山口までの道路状況はしっかり確認されることをおすすめします。