ドロドロスープで有名な京都のラーメン屋、「極鶏」(ごっけい)に行ってきたのでレポートしてみたいと思います。
あと今回は、ラーメンの「濃い=美味い」なのかをちょっと考えてみました。
驚くほどのドロドロスープを堪能できる麺屋「極鶏」
今回は京都の市内にある麺屋「極鶏」(ごっけい)に行ってきました。こちらのお店に来るのはまだ3度目ですが、巷のラーメン通の間ではこちらの「ドロドロラーメン」が噂になっています。
京都市の麺屋「極鶏」へのアクセス
住所:京都府京都市左京区一乗寺西閉川原町29-7
電車とバス:
大阪方面から京阪特急を利用、終点・出町柳にて叡山電車に乗り換え、一乗寺(いちじょうじ)から徒歩約5分、修学院から徒歩6分。
営業時間
11時30分~22時00分(通し営業)
※スープが無くなり次第営業終了
営業時間に関して、私が土曜日の夜に行った時には、9時すぎにはスープがなくなり営業終了となっていました。その日の繁盛具合によって閉店時間に前後があるようです。
麺屋「極鶏」ラーメンのレポート
ラーメン「極鶏 鶏だく」を食べました
極鶏で最もスタンダードなおすすめ「鶏だく」ラーメン。価格は700円でした。
「極鳥」のラーメンの真骨頂は、ラーメンのスープのドロドロさにあります。この写真からは分かりづらいかもしれませんが、このスープ、まるで「具」ではないか!?と思うくらいにドロっとしています。
写真からわかるように麺がスープに沈み込まない。それほどにスープは「液体」から外れた濃さです。
レンゲをとってひとすくいしようとすると、「すくう」ではなく「よそう」と言った表現が正しいと思えるくらいに、ドロドロしています。下の写真を見ていただけるともう少しイメージしていただけると思う。まるでゲル(ジェル)のようなスープ。
ドロドロのスープは脂っこくはない
スープは「飲む」とか「すする」ではなく「食べる」という表現が正しい。ここのスープは濃すぎて「食べる」ことになるのです。
あまりにもドロドロなスープではあるが、口に含むと見た目とのギャップに驚いた。ものすごく味が濃いわけでも、脂っこいわけでもない。程よい鶏の風味と、あっさりとした味付け、そしてこのドロドロの正体が鶏から抽出されたコラーゲン系のエキスが凝集したものであることがわかります。
重たさはあるのですが、豚骨の「背脂てんこもり」ラーメンのようなムカムカするような脂っこさは感じません。このスープはまさに鶏や素材の凝集された、養分の塊のように感じました。
濃縮された圧倒的な鶏の風味はとても存在感があり、それでいてしつこすぎない優しい美味しさを感じさせてくれます。
しかし、やはりかなり凝縮されているため、後半になってくると少しずつ重たさが辛くなってきました。私の胃が小さいためかもしれませんが。
ドロドロしたスープが麺をガッツリ捉える
麺はツルツルとした感じではなく、少し表面がざらつく感じ。
そして、この麺がドロドロのスープをしっかりと捉えて、纏(まと)います。スープと絡みついたこの麺はすすって口の中にズルズルと引き込むことはなかなか難しい質量となります。ただ、あまりにも麺の周りにドロドロスープがまとわりつくので、麺の印象がほとんどなく、麺を食べていてもスープを食べているような気分でした。
ほんと、極鶏はスープの店だなと感じました。
この濃度のスープを使い続ける限り、麺に存在感をもたせたり、一般的なラーメンとしてのバランスは取れないと思いますが、それが「鶏」を「極し」ラーメンや、「極鶏」なのだなと感じました。
スープの味自体はあまりインパクトはあまりない
スープはドロドロしていますが、絶大なインパクトがある旨味抜群な感じでもないです。どちらかというと、普通のラーメン屋のラーメンより少ない塩気にまろやかな鳥の風味が混ざって、優しい口当たりに感じます。しかし、間違いなく「ここでしか食べられない味」です。
ガツンと一口目から旨味とインパクトを感じるラーメンをイメージされている方は拍子抜けするかもしれません。
どちらかというと、まろやか。優しい落ち着いた味付け。
悪く言えば、ドロドロしているだけでイマイチ旨味にかける味。
総評
ともあれとても美味しいラーメンであることは間違いではありません。
信じられないくらい濃いスープにもかかわらず、適度なバランスの良い味は絶妙で素晴らしい。このように濃いスープは味が濃く、辛く、重くなるケースが多いですが、「極鳥」はそうではありません。ここでしか食べられない、鶏の味があります。素晴らしい。
あと一歩旨味が出せればさらに良いものになると思います。
濃いラーメン=美味しいラーメンなのか
「濃い=美味い」と考えてる自称「ラーメン通」の意見には賛同できない
最近では、「濃いラーメン」を好む人がラーメン通であるという風潮がありますが、私はそうは思いません。濃いラーメンは当然含まれる成分の量が濃縮されていますので、「旨味」が感じやすいものが作れて当然。また、普通の濃さであれば感じ取りにくいような素材の味も凝縮されているので、感じさせることができます。
しかし、当然凝縮した分味も濃くなります。人が美味しと思える味にはある一定の範囲があります。この範囲は人によって多少ズレがあります。これは人によって味覚の受容できる適正量に差が有るため。これを超えると、「⚪︎⚪︎すぎる」(例:辛すぎる)となり、満たないと「⚪︎⚪︎が少ない」(例:塩気が少ない)ということを味として感じるわけです。
ただし、味覚は一種類ではなく様々なベクトルの味に対してそれぞれ個別に感じます。この全てに対して丁度良い「バランス」で丁度良い「量」の味の「素」を与えられることが「最もおいしい」と思える味なのです。
濃いラーメンを作るということは、多くの素材の「素の味」が濃縮できるので、少ない旨味みや素材の味を物量的に増幅させることができます。しかし、これは大きな危険をはらんでいて、その一つにバランスを保つ難しさという問題を抱えます。いくら味が濃縮されていようが、人がちょうど「美味しい」と感じられる閾値内にとどめなければ、それは「美味しい」とは感じてもらえません。
つまり、ただ濃い=美味しいではありません。濃くてもいいが、濃さの先の本当の美味しさを表現するためには、絶妙なバランスを把握して実現する必要が有ると言うことです。
さいごに
私もしがない1ラーメン好きなだけで、通ぶるわけではありませんが、昨今のラーメンブームにおいて、現れ始めた自称ラーメン通による評価の押し売りが気になったので、少しだけ書かせていただきました。
単なる私の一意見で、私も美味しいものならなんでも食べたいだけで、ラーメンが特別好きというわけではないし、詳しいわけでもないので、深く考えずに参考にしていただければ幸いです。
食べログランキング上位のラーメン屋には必ず行く!
間違いなく美味しいから外せないよね。極鶏もそれで行ったのが最初