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[toc]スマホの維持費を抑えるために格安SIMにしてみた
今回は、スマホのお話です。先日iPhone6Sの発表もありましたし、そろそろ機種変更をお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は「格安SIM」についてです。
格安SIMを利用する目的はいたって明確です。スマホの維持費を安くしたいからです。
格安SIMと格安SIM以外との違いや、携帯電話の通信会社の現状や背景について簡単に解説してみようと思います。
それでは、格安SIMとはどういうものか、実際どのくらい安いのか、メリット・デメリットや運用の趣旨について具体的にお話してみようと思います。
写真: SIM Card. via photopin (license)
格安SIMって何?
SIMカードって何?
格安SIMを説明する前に少しSIMカードについて説明しておきます。SIMカードとはスマートフォンをネットワークに接続するための、重要なカードです。
simカードとは
SIMカードは「Subscriber Identity Module Card」の略です。直訳で「加入者識別モジュールカード」。個人が持つSIMカードには唯一の識別番号が付与され、その情報を通信キャリアに送信することによって、通信を可能とするためのカードです。電話番号がある場合は電話番号と紐付けられます。
SIMカードは携帯電話の場合、携帯電話の各キャリア(国内では主にドコモ・AU・ソフトバンク)と契約することで、契約した会社の通信を利用するための識別番号が登録されているカードだと考えてください。
我々は、自分の好きなキャリアと契約を結んで自由に通信環境を選択することができます。
通信キャリアの選択肢は3大キャリアだけじゃない
現在、日本国内では「ドコモ」「AU」そして「ソフトバンク」の3つの大手キャリアが存在します。この中からどの会社の通信回線を使いたいかを選択して携帯電話を購入するのが一般的となっています。
しかし、実は最近この3大会社以外の通信会社が出現しています。といっても、実は以前から目立たないだけで色々存在はしていました。
これらの通信キャリア(会社)は当然ですが携帯電話通信回線を提供するサービスを商売としています。我々は客なので自分の目的に応じて、通信キャリアと契約して回線の利用券を購入するわけです。
もちろん最も大きな目的は「通信を利用する」にありますが、それ以外にも様々な目的がありますよね。
- 無料通話サービス
- ネット見放題(パケホーダイ)
- 安く通信を利用したい
そこで、一度考えてみてください。
あなたが携帯電話を利用する目的はなんですか?
もしかすると、今使用しているキャリアよりも自分の目的に適したサービスを提供している会社があるかもしれません。
しかも、より安く、です。
「安さ」を売りにしている通信会社が提供するSIMカード、それが格安SIM
ここまで読んでいただければもうお分かりかと思いますが、格安SIMとはとにかく「安く」通信回線を利用できることを売りとしている通信会社が売り出しているSIMカードのことです。
スマホが普及し始めてから携帯電話の利用料金は高騰する一方です。そんな中で、本当に自分の利用目的にあったサービスを利用できているのか。もし、そうでないなら無駄にサービス料を支払っていることになってしまいます。
選択肢は、「ドコモ」「AU」、「ソフトバンク」以外にもあるんです。
そのことを少し考えていただければ幸いです。もちろん、3大キャリアの通信サービスの質はまだまだ他の会社の追随を許さないところもありますので、あえて通信会社を変える必要がない場合もあります。
携帯電話は今やなければならない通信ツールですので、携帯電話の維持費を減らすことで長期的に見てかなり得をすることも考えられます。
格安SIMを提供する通信会社をご紹介
格安SIMを提供する通信会社は主要なものをいくつかあげてみます。他にもあるので、あくまで一例としてご参照ください。だいたいどのくらいの価格なのかを参考に記載してみます。
さて、ここで「ドコモ系」や「AU系」などという単語がでてきました。
実は格安SIMを提供する会社は基本的に既存の大手3大通信キャリアの基地局から成る回線を利用していることがほとんどなのです。そして、どこの会社の回線を利用しているかで「⚪︎⚪︎系」となるのです。
格安SIM会社の多くは大手キャリアの子会社や関連会社であることが殆どです。
これらのことから、「通信エリア」に関しては利用している回線元の大手キャリアと大体同じくらいと考えられますが、一部例外もあります。
そして、実は「⚪︎⚪︎系」のSIMを使うときに注意をしなければなりません。
それは、携帯電話の端末(本体)によっては利用できない会社があります。
それでは次に、携帯電話の通信キャリアと携帯電話端末(携帯電話本体)についてお話しようと思います。
MVNOの格安SIMカード
格安SIMを提供している通信会社は基本的にMVNOです。MVNOとは、他者から通信用のインフラ(基地局など)を借り受けてサービス提供する会社のことです。
先にお話ししたように、ドコモ系格安SIMとはドコモから通信環境を借りて、格安でSIMカードを提供しているMVNO(通信会社)のSIMカードのこと、ということになります。
MVNOとは
MVNOは、Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。何やら難しそうですが、携帯電話などの無線通信インフラ(ケータイやスマホに電波を送るための基盤のこと)を他社から借り受けてサービスを提供する事業者のことなんです。2001年秋に日本で初めてのMVNOが登場して以来、今ではたくさんの事業者がMVNOとして、いろんなサービスを提供しているんです。
携帯電話の端末(本体)は通信キャリアに縛られている
携帯を購入した会社の回線しか利用できないように使えるSIMカードが制限されている=SIMロック
国内では、主に携帯電話の端末(本体)の発売は主に通信キャリアから行われています。
例えば、とある携帯電話はとある通信キャリア会社でしか購入できない、といった具合です。
携帯の端末は販売している通信キャリアの回線でしか使用できないように、端末ハードウェアまたはソフトウェア的に制限されています。
これが、携帯電話の端末に対して通信キャリアを縛るための「SIMロック」です。
たとえばiPhone発売当初の話をすると、初めてiPhoneが発売された時、国内ではソフトバンクのみが本体を発売していました。iPhoneが欲しければソフトバンクと契約するしかありません。もしiPhone端末をソフトバンクから購入して他の通信キャリアの回線を使いたくても、他社のSIMカードを挿入しても、iPhone本体がSIMロックという制限によって縛られているので利用することはできませんでした。ところが、海外ではこのような端末のSIMロックはされていないことがほとんどです。ユーザーはiPhoneを購入すると自分の望む通信会社と契約するのです。
最近のスマートフォンでも国内の大手キャリアから販売されているものでは基本的にはSIMロックがかかっています。
SIMロック解除しても通信キャリアを慎重に選ぶ必要がある
この端末のSIMカード制限を解消するの手法が「SIMロック解除」です。
SIMロック解除を行うことで他社のSIMカードを端末に差し込むことで、利用できるようになります。最近ではユーザーの意思によってSIMロック解除を行えるように総務省より方針が発表されました(まだまだ微妙なところですが・・)。
つまり、SIMロック解除を行えば携帯電話・スマホの本体は自由の身となるのです!
自由の身とは、端末で利用できるキャリアを縛られていない、ということです。
ところが、SIMロックを解除したとしても、販売していた会社の回線でないと安定して通信が行えない場合や、一部のサービスが利用できない・または最悪通信すらできない、なんてことがままあるようなのです。
もちろん、こう言った制約がない場合もあります。ただし、現時点でまだまだ問題が起こることがあるので端末と格安SIMを購入する通信会社の「⚪︎⚪︎系」というところは共通させたほうがいいかもしれません。
たとえば、ドコモで購入した端末をSIMロック解除しても、ドコモ系の格安SIMを利用するのが良いかもしれません。
この辺りは、ハードウェア的な通信形式の制約の問題であったり、ソフトウェアのプログラム的な問題であったりするので、素人の我々が解決するのはなかなかに厳しいのが現状だと思います。
格安SIMを使うために必要なもの・こと
ここまでくれば、大体理解していただけたかと思いますが、ちょっとした問題をクリアすれば大手キャリアとの契約を切って自分の好きな格安SIMの通信会社と契約することができます。
たとえば月額1000円程度でネット回線が利用できるんです!
では格安SIMを使うためには何が必要なのでしょうか?
- 利用する端末本体・SIMロック解除済みのもの
これだけです。これだけあれば、望みの格安SIMカードを契約してぶっさすだけです。
といっても、最も重要なのは利用したい端末を用いて利用したい格安SIMカードで通信できるかということです。もし、これができなければ、SIMを契約してさしても端末でネットを見ることはできません。
ちなみに、端末本体を提供している格安SIMサービスもありますので端末を通信会社から購入することも可能です。
格安SIMを利用できる端末を確認する
それぞれ格安SIMを提供する通信会社の公式ホームページに「動作確認端末」に関する記載があるはずです。ソフトウェア(OS)のバージョンに制限がある場合もあるので、しっかり確認してください。
また、AUで買った端末であればAUのSIMロックがかかっていてもAU系格安SIMがそのまま使える、と言った場合もあります。このように同系統回線を利用するSIMであれば使える場合もあります。
利用できるかはネットなどで入念な調査を行うことをおすすめします。
私が利用している格安SIMカードと端末・実際の料金
さて、ここで私が実際に契約して利用している格安SIMと端末についてご紹介します。
利用している格安SIMカード:UQ Mobile データ高速プラン
私はAU系格安SIMのUQ Mobileを利用しています。通信のみのプラン「データ高速プラン」で月額利用料980円で通信制限は3GBです。(下の画像・青で囲ったところ)
これまではAUで毎月8000円近く支払っていたので、2年縛りで2年間8000円払うことを考えると、圧倒的な安さです。これはもし端末を別途購入していたとしても言えることでしょう。
端末の問題もあってAU系格安SIMを選択することにしました。UQ Mobileの通信速度が安定しているとの評判が多かったので利用しています。今の所不便を感じたことはありません。
最低利用月がないので、解約したいタイミングで解約しても違約金を支払う必要はありません。
利用している端末:iPhone5S(AUで購入)
実はAUで契約して普通に使ってたiPhone5Sなんですが、途中で格安SIMにしたほうが安いことに気付いて解約金払って解約しました(笑)。なので、AU系格安SIMしか利用できなかったんですよね。
なのでこの端末はSIMフリー端末ではなく、またSIMロック解除も行っておらず、AUのSIMロックがかかったままです。
このように、制約はあれどSIMロック解除しなくても格安SIMを利用することができることもあります。
格安SIMのメリット・デメリット
メリット
選択肢が広がる
一番のメリットは通信会社の選択肢が広がることでしょう。それぞれ様々な料金形態でサービスを提供しているので、金銭的にも選択次第ではかなり安く抑えられる場合があります。
キャリアに縛られない
通信会社はあくまで通信の回線を提供するものであって、端末を使ってユーザーを縛るなんてことはあってはならないと思います。PCを購入するからって使えるネット回線がPC本体で制限されているなんておかしくないですか?
携帯電話はあくまで「携帯端末」なのです。それをキャリアに鎖で縛られる何ておかしいと思うんです。
好きなタイミングで、好きな回線で、好きなスマホを使う、それが格安SIMを使えば実現できます。これが正常な状態だと思います。
デメリット
サポートが少ない
自分で勝手に契約して、届いたSIMカードを携帯に挿入して、アクティベートする必要があります。ほとんどの格安SIM会社は大手キャリアのようにショップがないので、何かわからないことやトラブルがあった時に身近に相談できるサポートがありません。
また、端末の故障の保証サービスや、紛失の保険といったサービスもありません。留守番電話サービスもない場合がほとんどでしょう。従来の大手キャリアが提供しているサービスの多くは存在しないと考えたほうが良いでしょう。
キャリアメールが利用できない
従来の大手3大キャリアではたとえばドコモだと「docomo.co.jp」といったキャリアメールが利用できます。格安SIMの通信会社ではこう言ったサービスを提供していない場合もあります。
たまに、ウェブサービスなどで携帯電話のメールアドレスがどうしても必要な場合があります。こう言った時不便するかもしれません。
音声通話の質が低い
私は音声通話を契約していないのでわかりませんが、大手キャリアの回線より音声通話が安定していないという事実があるようです。
LTE未対応の端末は使えない
格安SIMの多くはLTE未対応端末で利用できません。
問題が起こっても自己責任で解決するしかない。自由=自己責任
デメリットにも書きましたが、買った端末で買った格安SIMが使えない・・とかそんなトラブルが発生しても誰も助けてくれません。自分の調査が不足していたということになります。
格安SIMは別に敷居が高いとは思いませんが、大手キャリアから逃れるという自由とともに、手厚いサポートも受けられなくなると考えるべきでしょう。
それが難しいようでしたら、安易に格安SIMにすることはお勧めしかねる、といった感じです。
私はAUのiPhoneで格安SIMを使っていますが、iOSを8以上にすると現在利用している格安SIMが対応していないため利用できなくなります(2015年9月現在)。もしiOS8にうっかりアップデートしてしまって通信を利用できなくなっても誰も助けてくれません。そこにはネットに繋がらなくなったiPhone5Sが残るだけです。
といった具合で自己責任になりますので、格安SIMはとてもおすすめですが、よく検討してから決定されることをおすすめします。
まとめ
とりあえず私は、大手キャリアが価格競争をやめ高騰した利用料金を提示し続けているにもかかわらず、ユーザーが疑問に感じないまま利用し続けている現実が不思議でなりません。
自分は、会社ではスマホはほぼ使わず、家に帰ればWi-Fiでスマホを利用してるので、月に1GBも通信しません。にもかかわらず月8000円もの利用料金を支払い続けることに疑問を感じました。24ヶ月で19万円にも昇るこの利用料金。一体何年こんな出費を続ければならないのかと考えると、いてもたってもいられませんでした。
自分の払っている金額が本当に、妥当な金額か考えて、一度検討してみるのもいいと思います。
ちなみに、電話がないのは困るので、ドコモのガラケーを契約して月1000円ちょっとで運用しています。なので実質は月2000円程度の携帯料金になりますね。電話回線を通信SIMと別で持つことで、より通信会社の乗り換えが容易になるので、おすすめです。また、一応キャリアメールもあるということにもなりますので、携帯アドレスが必要な事態にも対応できます。