【バイク】ミドルクラス(600cc)のSSバイクYZF-R6 05年(5SL後期)でスポーツライディングが楽しい!【インプレッション】

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【バイク】ミドルクラス(600cc)のSSバイクYZF-R6 05年(5SL後期)でスポーツライディングが楽しい!【インプレッション】

この記事中で出てくる「YZF-R6」はすべて2005年式の5SL後期モデルの情報です。

YZF-R6 2005年の5SL後期モデルに乗っています

今回は私が現在乗っている、YZF-R6の2005年の5SL後期モデルのインプレッションをしてみようと思います。今も実際に乗っていますので、自分が感じたことや、実際の写真を含めてまとめてみようと思います。

YZF-R6を購入したのは1年半ほど前で、中古で購入しました。購入当時の走行距離は17000キロで、現在は29000キロほどになっています。

R6を選択した理由はもちろんルックスとスタイルに惚れたのとミドルクラスSSのエンジンのピーキーさを味わってみたかったからという理由です。期待通りのバイクで、もうかなり相棒としての愛着が湧いております。少し古いモデルなのは安かったからです。

どんなバイクか?

 まずはこのバイクの仕様を引用を含めて簡単にご紹介いたします。

YZF-R6(05年 5SL)のカタログスペックの一部

開発      ヤマハ発動機
エンジン    水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ
気筒配列数    並列4気筒
総排気量    599cm3
最高出力    8.2kW(120ps)/13,000rpm
最大トルク   66.4Nm(6.78kgfm)/12,000rpm
全長      2,045mm
シート高    830mm
乾燥重量    163kg
燃料タンク容量 17L
タイヤサイズ  前:120/70-ZR17M/C 58W
        後:180/55-ZR17/C 73W

最高速度    実測時速280km程度と思われる

価格に関しては、古いモデルなので少しわかりません。中古では走行距離にもよりますが、45万〜80万程度で売られているようです。

ミドルクラスSSバイク、YZF-R6(05年 5SLモデル)の説明

このバイクは国内モデルが生産されていませんので、国内で見かけるYZF-R6はすべて逆輸入車のフルパワーです。海外では600 ccクラスのスーパースポーツバイクはかなり人気なので、そういった国ではかなりヒットしているバイクのようです。しかし、街ではほとんど見かけることはありません。

逆に国内でもサーキットではゴロゴロ見かけます。

そんなR6を一文で説明すると・・・

YAMAHA YZF-R6を一文で!

「スポーツ走行性能」のみを追求した「パワー」「運動性能」「制動性能」など、どこをとっても「至高のミドルクラスSSバイク」である

スーパースポーツ(SSバイク)というコンセプトで作られたYZF-R6ですが、このバイクは本当にライディングをスポーツとして楽しませてくれる、そんなバイクです。

「スポーツ性能」”のみ”を追求しているというのもミソです。

これがこのバイクの長所であり、短所でもあります。

もっと具体的に言うと、
街乗りが鬼みたいにシンドイんです。

エンジン特性や乗車姿勢など様々な要素があまりにもスポーツ走行に特化しているので、長距離ツーリングや街乗りがしにくいわけです。なので、万人にお勧めできるかと言うとそうではないと思います。断じてなんでもこなすオールマイティなバイクではありません。

大変、極端なバイクです。

そもそも街乗りや長距離ツーリングを想定しない、生粋のスポーツバイクとして設計されているYZF-R6。対して兄貴分の1000ccのSSバイクであるYZF-R1は国内モデルもあり、スポーツ性能を楽しむコンセプトをと圧倒的パワーを保ちつつ街乗りなども想定されて作られています。

排気量が小さいから大丈夫だろうという理由で600ccクラスのスポーツバイクを選択すると、痛い目にあう場合もあるので、しっかり検討されることをお勧めします。

ではもっと詳しくYZF-R6をみてみましょう。

ルックス(写真)とサウンド(動画)

全体の見た目を写真でみてみる

私の乗っているYZF-R6の写真を掲載してみます。(全部で9枚)

YZF-R6 サイドビュー YZF-R6 サイドビュー YZF-R6 フロントビュー リアビュー YZF-R6 リアタイヤ YZF-R6 フロント YZF-R6 リアサスペンション YZF-R6 エンジン、クランク YZF-R6 ハンドル、メーター周り YZF-R6 シート

エンジンサウンド(動画)

  自分でアクセルを煽ってエンジン音をとってみたものです。

YZF-R6の特徴・特性

パワフルでどこまでも回るハイレスポンスなエンジン

エンジンの特性としては、アクセルを開けた分だけタコメーターの針がビンビン跳ね上がります。本当にダイレクトで信じられないくらいにレスポンスが良い。

このバイクのエンジンの特徴としては、低速トルクがかなり薄く、回転数が上がれば上がるほどトルクが増します。いわゆる高回転型ですが、もう「超」高回転型といえます。

回転数に応じて変化する特性

  • 4000回転まではCB400と変わらないくらいの加速感です。あれ、こんなもんか?と思う。エンジン音もおとなしい。
  • 4000回転〜6000回転までは、同じようにアクセルを開いていても、後ろに引っ張られるように徐々に加速力が上がります。エンジン音は少し大きくなり始めます。
  • 8000回転を越えると、さらにトルクの塊があり、加速が上がっていきます。この辺りからエンジン音がサーキットを走っているバイクと同じような勇ましい音になります。運転していて、「くーかっこいい!」ってなります笑。しかし、もはや爆音。
  • 10000回転を超えても、まだまだ回せます。この辺りはもはや未知の世界。6速10000回転付近では200キロに到達します。(もちろん私はそんな速度では走っていませんよ?)

でも待ってください、このバイク、18000回転まで回るんですよ!?

このバイクの有り余ったパワー、ポテンシャルを知るためにはサーキットに向かうしかないです。

高速道路を走っていても、周りの車が旅客機で自分だけが戦闘機に乗っているか、伏せてバイクにへばりついている時なんかはミサイルになっている感覚になります。

とにかく、アクセルを開ければ開けただけ、どこまでも回転数があがり、それに伴ってどんどん加速力が上がっていきます。そんな魅惑のエンジンです。

厳しい前傾姿勢と高いシート

R6の乗車姿勢はかなり「スパルタン」で有名です。シート高が高く、セパレートハンドルはかなり低い位置に取り付けられているため、激しい前傾姿勢を強いられます。

そんなR6の中でも05年式(5SL後期モデル)はそれ以降の年式のR6に比べると、マシな乗車姿勢であるとも言われています。

しかし、やはりサーキット走行を想定されて作られているだけあって、並みの前傾姿勢ではありません。

前傾姿勢に慣れていない人だとおそらく30分で腕や腰が痛くなるでしょう。

YZF-R6 姿勢

上の画像のR6は新型ですが、こういう乗車姿勢に近いです。まあSSは大体こんなですが。

とにかく、膝でタンクをしっかり挟んで上半身を支え、ハンドルには手を添えるだけになるようにしましょう。前傾だからと言って体重を手で支えていては手首が痛くなってしまいます。

この前傾姿勢のおかげで街乗りやツーリングはかなり体が疲労します。しかし、タイトなコーナーが続くワインディングや高速コーナリングをするときは、この姿勢だからこそ感じられる楽しさがあります。

高い運動性能でスポーツライディングを楽しむ、学ぶ

YZF-R6はバイクでスポーツすることがとても楽しくなるバイクです。

コーナリングではしっかりニーグリップして視線を向ければある程度思ったところに曲がってくれますが、「素直」とは言いにくいです。

それなりのワインディングでライディングをしっかり楽しもうと思うと、コーナーに応じて体を動かして働きかけてやる必要があります。これはまさにスポーツバイクとしての楽しさそのものです。

自分の体の動きと、バイクの傾き、タイヤが路面を蹴る力が適切になった時に、初めてバイクの運動性能の高さを実感することができ、最高に気持ちがいいです。

自分なんかはまだまだ下手くそで、たまに「うまくできたかな?」という時があるくらいですが、どんどんコーナリングにチャレンジしたくなるのもこのバイクの特徴の一つだと思います。

R6はそんな下手くそな運転もある程度「許容」はしてくれますが「手助け」はしてくれません。

下手くそでもある程度曲がってはくれる、しかしバイクの持つ本来の運動性能で楽しんでやるためには、きちんとしたライディングでR6を操ってやる必要がある。

そんな一癖あるバイクです。私も今はバイクに乗せられていますがいつか従えてやる!そんな気持ちで練習しています。

実用性を求めるべからず!

ミドルクラスのSSバイクに共通して言えることですが、R6は特に「スポーツ走行のみ」に特化したバイクと言えます。

何かを追求すると言うことは何かを犠牲にするということです。

R6が犠牲にしているものはズバリ実用性です。

  • 積載性が皆無
  • 燃費が悪い
  • 小回りがきかない

まあスポーツバイクに実用性を求めるのもおかしな話ですが。。

どんな人に向くか

  • スポーツ走行を楽しみたい人
  • ライディングに真剣に取り組みたい人
  • 速いバイクに乗りたい人
  • 峠で他のバイクをぶち抜きたい人
  • スポーツに特化されたバイクに乗りたい人
  • スパルタンなバイクを飼い慣らしたい人
  • 高回転をガンガン使いたい人
  • 人とかぶらないマイナーバイクに乗りたい人

どんな人に向かないか

  • 実用性を求める人
  • 燃費を気にする人
  • 快適に長距離を運転したい人
  • 気軽、気楽にバイクに乗りたい人
  • 低速トルクが欲しい人
  • 厳しい前傾姿勢に耐えられない人

良かった点と悪かった点

 さて、では私の個人的なこのバイクに対する感想です。

良かった点(メリット)

軽くてパワフル、抜群の運動性能

軽くてパワフルなところが最も良かったと思っています。リッタークラスのSSと比較して車重が軽く、排気量に対して馬力が非常に大きいので、そういった意味でも正解だったと思っています。

そしてとにかく「傾けるのが楽しい」ということ。別に膝すりとかするわけじゃないんですけど、ちょっとしたコーナーでもバイクとともに体を動かして傾けて、コーナー出口からはアクセルをあけてぐんぐん加速しながら立ち上げって行く感じはたまりません。

高回転が楽しい

回転数を上げれば上げるほどパワフルさを発揮するR6。

6000回転から10000万回転くらいまでは本当に呆れるくらいすぐに回転数が上がり、グイグイGを感じるくらい加速します(それ以上は未知なので語れません・・)。

また、山道などでは高回転に保ちたいので、シフトチェンジが楽しいです。リッターSSではこう言った楽しみは希薄になってしまうのではないかと思います。

ヘッドライトがかなり明るい!

夜道ではヘッドライトが明るくて、視認性がとてもよいです。

YZF-R6 ヘッドライト

ハイビームなんかはものすごい明るいです。対向車が来ているときはロービームにすることを忘れないようにしないといけませんね。ロービームでは片方のライトが点灯、ハイビームで両方点灯です。

アイドリング回転数が調整できる

インジェクション車ですがアイドリング時の回転数の調節ができます。2005年モデルまでだと思いますが。

YZF-R6 アイドリング調節ネジ

右カウルとフレームの隙間にあるネジを回すと調整できます。

良かった点箇条書き

  • 防風性がそこそこよく、多少の雨では足などは濡れなかったりします。
  • 顔(アッパーカウルのデザイン)が怖いので前の車が結構な確率で道を譲ってくれます。別に煽っているわけではないのですが、山道など楽しみたいときはありがたいです。
  • バックミラーの視認性がかなり良いです。乗車位置から自然に目に入ってくる位置で助かっています。
  • シートが柔らかく長時間乗ってもお尻が痛くならない
  • 時計が付いている

あとは何と言ってもかっこいいことですね。

悪かった点(デメリット)

熱すぎる!

このバイクめちゃくちゃ熱いです。

放熱が大きすぎて、火傷するぐらいに熱いです。

高速度での走行時はフロントの吸気口よりラムエア(走行風)を多く取り込むことで水温が適切に冷却されます。しかし、低速走行時や低回転での走行、発進や停止を繰り返していると、すぐに水温計は100℃となり、ファンが回り始めます。

ようするに市街地など街乗り走行時はアッツアツです。

ファンが回り始めると大きな「フィーーーーン」という音が鳴り響き、熱気がモワモワと立ち込めます。

こうなるとタンクがどんどん高温になり、ニーグリップしていると膝に水ぶくれができるくらい(経験談)。なので、厚手のライディングパンツか熱を通しにくい革パンツを装備する必要があります。

冬は暖かくていいなあ、くらいなんですが、夏はとにかく地獄です。

小回りがきかない

最小回転半径 3.4mという値からわかるように、Uターンは難しい。

実際に出来ないことはないと思うんですが、少なくとも私は1度もしたことがありません。

なぜならハンドルの切れ角が小さいので、Uターンは転倒リスクが高すぎる。なので、道を間違えたらいつも切り返して方向転換しています。低い位置にハンドルが付いているセパハンバイクだとありがちな悩みですが。

ドンつきがある

発進時の低速加速時にドンつきがあることがあります。回転数が上がっていれば起こらないんですが、低回転時にアクセルを開けてからワンテンポおいてドン!と突然加速することがあります。これはひやっとします。前の車に突っ込まないように車間距離を取ることと、アクセルワークで対応しています。慣れれば問題ないですが。

パワーのあるバイクなので、クラッチの食いつきがかなり良く作られています。ラフな操作はバイクの急なドンつきにつながりますので、慣れるまでは丁寧にアクセルワーク、クラッチ操作を行いたいところです。

ガソリンメーターがない

大抵のスーパースポーツバイクに共通することですが、ガソリンの残量を示すメーターはありません。ただし、ガソリン残量が少なくなると点灯するインジゲーターがあります。このランプが点灯してから50キロは走行可能と教わりました。

私は、給油ごとにトリップメーターの一つをリセットして200キロを超えたら給油するように習慣付けています。

R6が苦手なこと:街乗り、二人乗り、低速走行

ここまで読んで頂ければ分かる通り、低速走行や街乗りは快適にはいきません。

また、二人乗りにも難ありです。タンデムシートがかなり高いところにあり、後ろの人の重心がかなり高くなります。バイク自体の重心も高めなので、後ろの人がグラグラ動くとかなりストレスを感じます。

ただ、運転手より頭一つ高いところに乗れる、という点では見晴らしが良いかもしれません。

後ろに乗る人がそれなりに意思疎通のできる乗り慣れた人であれば問題ないと思います。しかし、あまりバイクに慣れていない人を乗せるのは、お互い苦痛にしかならないと思います。

低速走行に関しては、低速トルクがないので言わずもがなです。

古いバイクなので、多少クセがありますが、慣れれば何てことありません。

高速なんかでは。あと1速あればなー、と思うことがあります。それに反して、公道でパワーを出し切ることができないのも事実です。なんだか複雑。

まとめ

誰にでもはおすすめできないけど、本当に楽しいバイク

私はR6に乗り換えてから、バイクに「スポーツ性」を強く見出すことができました。モータースポーツとはよく言ったものです。

バイクは体全体で運動しバイク操るスポーツなのです。

R6はそんなスポーツを楽しむのには本当に適した、すばらいいバイクだと思います。

クセがあって、乗りにくいじゃじゃ馬バイクを扱っている感じが好きです。長距離走行は全然向いてないけど、R6でどこでもツーリング行っちゃいます。

日本中の山道を走りまくりたいですね。

2006年以降のモデルもオススメです

今回は2005年モデルをご紹介しましたが、2006年以降はさらにスポーツ走行に特化した形にフルモデルチェンジを果たしており、見た目もすごくかっこよく、先進的に進化しています。

個人的に、そちらに乗り換えたくもあります。

R6の写真を見て気付いたかもしれないですけど、実は左右に立ちゴケしてるんですよね・・